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第3話 進路

 俺は高校生になった。今も萩原鷹尾の活動を追いかけていた。機動力もないガキの立場で、出来る事は限られていた。ネットで調べて動向を掴む。  しがない田舎の高校生では、今、何をやっているのか調べて、ファンクラブに入るのが精一杯だった。  学校では進路の話が増えてきた。高校二年になった。 「山下ぁ!女に興味ないってホント?」  クラスの女が聞いてくる。煩い。 「マジ、女子高生には興味ないよ。」 「山下の事イケてるって言ってる娘がいるんだよ。付き合わない?」 「嫌だよ。おせっかいはやめてくれ。 俺、好きな人がいるんだよ。放っといてくれ。」 「進路希望出してないぞ。」 担任に呼び出された。高校に入ったら、すぐに進路の話だ。面談に親も呼ばれて 「進学させます。四年生の大学に。」 俺は自分の成績で入れる所にはいればいい、と簡単に考えていた。  萩原鷹尾は精力的に活躍している。主に舞台に力を入れているようだ。 「こんな田舎じゃ見に行けない。舞台とか、見たいなぁ。近くで感じたい。鷹尾さん、実物に会いたいよ。」 「山下、大学で何やりたいんだ?」 また、担任に呼ばれた。 「俺、演劇を学びたいです。」  思いつきで言った。 「え?大学で,か? 俳優になるのか?」 「いえ、監督とか、脚本家とか。」 「何か書いてるの?」 「ええ、まあ。」 「知らなんだなぁ。どんなもん書いてるの?」  担任が食いついてきた。 俺はその場しのぎに適当に言っただけだった。  まあ、少しは日頃から書き殴ってきた。 ほとんどが鷹尾さんに関する俺の妄想だった。人に見せられるようなものではない。  進路指導が煩い。まだ、高二なのに。 いや、もう高二か?  屈折した気分をなんとか盛り上げたいと、 この前紹介された女子と付き合ってみる事にした。世話好きなクラスの女子が連絡を取ってくれた。  待ち合わせをして出かけた初めてのデートは最悪だった。女の子は怒って帰ってしまった。  俺は何が悪かったのかわからない。女の子の気持ちは理解できない。鷹尾さんのドラマの話ばかりしたからか?

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