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第11話 一線
鷹尾さんと一線を越えた。俺は抱かれたのだ、憧れの人に。
その夜は二人きりだった。二人きりで過ごす初めての夜。俺は死ぬまで忘れないだろう。
肩を抱かれてソファに並んで座った。男っぽさが溢れている。
俺は変な誤解をしていた。男に抱かれるって事は、自分が女みたいに扱われる事か、と。
鷹尾さんは男らしく俺を抱いてくれた。
(こんな男の世界もあるんだ。)
くちづけをされた。優しく抱き寄せられて身体を合わせる。初めての経験に全てを任せる気持ちになっている。
初めてを、男同士でするなんて考えていなかった。
(鷹尾さんが教えてくれるなら,これが最高の選択だ。)
上に着ているシャツを脱がされた。ブルっと震える。
「寒いか?」
そう言って抱き寄せてくれる。鷹尾さんもシャツを脱いだ。すごい大胸筋だ。映画のために鍛え上げてある。その大きな胸に抱かれて俺は感動している。
子供の頃から憧れていた俺のヒーロー。
鷹尾さんに抱きついて
「ずっと好きでした。俺、嬉しいです。」
鷹尾さんは笑って
「そんな真っ直ぐな目で言われたら
何にも出来ないよ。」
「いやだ!俺、覚悟出来てます。」
「覚悟がいるような事じゃないだろ。
怖いならここでやめるよ。」
手を掴まれて大きくなったモノを握らされた。
鷹尾さんは俺に欲情している⁈
胸が締め付けられるような喜びが湧いてきた。
鷹尾さんの首に抱きついた。
「ゆっくりやろう。正樹を壊さないように。」
「俺、そんなにヤワじゃないよ。」
それからの時間は夢のようだった。
脱がされて唇が首筋を這う。夢中になってくちづけを返す。
膨らみなんかない胸を優しく口に含まれて何だか恥ずかしい。鷹尾さんの舌が身体中を這って、
いきり立つ正樹のペニスを咥えた。
「ヒェッ。」
腰が引ける。こんなの初めてだ。
いつも一人でマスターベーションはしてたけど、こんな事されるなんて。
「鷹尾さん、恥ずかしいよ。もう出そうだ。」
鷹尾さんはゆっくりいろんな事を身体に教えてくれた。めくるめく一夜だった。
それからは寝室を一緒にしてくれた。夜眠る時は一緒だ。抱いて寝てくれる。
「鷹尾さんの疲れが取れないでしょ。
俺、自分の部屋で寝るよ。」
「俺がこうしたいんだよ。正樹を抱いていたい。」
俺たちはまだ、最後まではやってない。
「少しずつ、慣らして行こう。
正樹を傷つけたくない。」
マネージャーはワケ知り顔で見ないフリをしてくれた。
「久しぶりに鷹尾が本気になってるわ。
良かった。枯れちゃったか、と心配してたのよ。」
そして役作りに没頭している。朝起きてから夜寝るまでずっと極道になっている。
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