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第14話

湊は少しだけ考えてから言った。 「俺の仕事じゃない」 榊原は軽く笑う。 「そればっかだな」 湊は黙る 数秒、沈黙 「金必要だろ」 「親の借金」 「まだ残ってるよな」 湊の指先が、ほんの少しだけ動いた。 榊原はそれを見逃さない。 「いくら」 湊は反応しない。 「残ってる額」 「…」 「言えない?」 それから淡々と答えた。 「まだ結構あります」 「だろうな」 湊は机の端を見つめたまま言う。 「だから」 「今の仕事で返します」 「時間かかるだろ」 「そうですね」 それから榊原は静かに言った。 「俺の相手役やればすぐ終わる」 湊の視線がほんの少しだけ動いた。 「ギャラが普通じゃない」 湊は黙った。 机の上を見ている。 しばらくして、小さく息を吐いた。 それから言う。 「…最低って言われませんか?」 榊原は笑う。 「よく言われる」

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