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第37話
湊の背中を撫でながら、榊原はゆっくりと話した。
「とりあえずさ」
「お金のことは後で考えよう」
湊の肩が小さく揺れる。
「今は解決することだけ考えればいい」
「その後のことは、その後考えればいいから」
腕の中で、湊が小さく頷く。
榊原は少しだけ安心したように息を吐いた。
「湊さ」
「一人で抱え込みすぎなんだよ」
返事はない。
でも聞いているのは分かった。
「誰かに頼ってもいいんだよ」
「全部自分で何とかしなくていい」
背中を撫でる手を止めずに続ける。
「分かった?」
しばらく沈黙が続く。
それから。
腕の中で小さく頷く気配がした。
「よし」
榊原は少し笑う。
「じゃあ今日は考えるの禁止」
「飯食って、風呂入って、寝る」
「……」
湊は何も言わない。
ただ。
もう一度だけ、小さく頷いた。
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