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第47話

あの後。 また熱が上がってきたらしい。 気づけば眠っていた。 誰かが話している声で目を開ける。 視界に入ったのは榊原のTシャツだった。 (……?) 少し考える。 頭が働かない。 どうやらいつの間にか榊原の隣に移動していたらしい。 「うん」 「そうそう」 榊原の声が聞こえる。 「俺は平気」 少し間。 「湊が熱っぽいかな」 電話だろうか。 誰と話しているのかは分からない。 そのまま頭を優しく撫でられる。 「起きた?」 聞かれた気がする。 返事をしようとしたけれど、 眠気の方が強かった。 身体には毛布が掛けられていた。 額には熱を冷ますシート。 ひんやりして気持ちいい。 「湊?」 また名前を呼ばれる。 「ん……」 ようやく声が出た。 「どうかな」 榊原は電話の向こうへ話している。 「食欲ないんだよなぁ」 少し困ったように笑う。 「おにぎりなら食うかもしれないけど」 そこで榊原がこちらを見る。 目が合う。 「な?」 何が「な?」なのか分からない。 でも。 小さく頷いてみる。 「ほら」 榊原が笑う。 「だってさ」 電話の向こうの相手も何か言っているらしい。 その会話を聞きながら、 湊はぼんやり天井を見る。 窓の外は少し曇っている。 部屋は静かだ。 榊原の声だけがゆっくり流れていく。 嫌じゃない。 むしろ。 この時間は嫌いじゃないかもしれない。 そう思いながら、 湊は再び目を閉じた。

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