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第66話
洗濯物が回るのを見ている。
ぐるぐる。
ぐるぐる。
「また見てる」
「回ってるので」
「知ってる」
榊原が笑う。
そのまま他愛のない話をする。
コンビニのこと。
新しい街のこと。
近所のスーパーのこと。
気づけば返事が少なくなっていた。
「湊?」
「……」
返事がない。
見ると。
いつの間にか寝ていた。
榊原は少しだけ笑う。
「相変わらずだな」
起こそうか迷う。
でも。
気持ち良さそうに寝ている。
だからそのままソファへ移動した。
頭を支える。
クッションを取ろうとして。
少し考える。
「まぁいっか」
そのまま自分の膝へ頭を乗せた。
洗濯機は静かに回り続ける。
テレビの音。
外を走る車の音。
穏やかな時間だった。
やがて。
ぴーぴー。
ぴーぴー。
洗濯終了のアラームが鳴る。
その音で湊が目を覚ました。
「……」
ぼんやりする。
目の前には見慣れたTシャツ。
少し考える。
そして。
「あ」
ようやく状況を理解した。
「起きた?」
頭の上から榊原の声。
「……すみません」
反射的に謝る。
「なんで謝るの」
榊原は苦笑した。
「寝てただけじゃん」
そう言いながら頭をぽんぽんと撫でる。
「洗濯終わったぞ」
「……はい」
「取り込む?」
「やります」
「寝起き一秒で掃除かよ」
呆れたように笑われる。
でも。
その笑い声を聞いていると、
少しだけ安心した気がした。
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