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第6話 マジになんのがこえーお年頃※
「うるせ……バカ……も、良いだろ……ベッド行こうって……」
「ベッド行くのは良いですけど、どうしたいですか?」
目を細めた悪戯な笑みを向けられて、ムッと口を尖らせる。
「このタコ助、相手に選ばせんのはいーけど範囲が広すぎる。二択まで絞って選択させろっていつも言ってんだろ」
「うぅ、店長モードの上条さんに戻っちゃった……。じゃあ、上条さんならこういう時、どう聞きます?」
眉を下げてしょげ返る下瀬をよそに、デスクの上に置いていたティッシュを引き抜きしゃがんで鏡と床を雑に拭く。一発抜いたから熱に浮かされた頭が少しは冴えた。下瀬がちょこんと隣にしゃがみ問い掛けてきて、ティッシュを丸めてゴミ箱に捨てる。
「まずお前はどういう答えを導きたいわけ?」
「抱いてほしいって言わせたいっす。自分で選択した感与えたいんで」
「ふん、やーだね。教えてやんねー。口説き方くらい自分で考えろ」
「ええーっ、聞いといて酷いじゃないっすか――」
うるさく文句を垂れる下瀬の口唇を口唇で塞いでやる。ちょんちょんと舌で口唇を突っつくと下瀬も舌を出し、それに戯れつくように舌を絡めた。絡み付こうとしてきたら舌を引っ込め、ちゅうっと下瀬の舌を吸ってやる。口唇を離してにっと目を細め、意地悪く口角を上げた。意地悪されんのも好きだけど、意地悪してやんのも好き。
「ガチガチじゃん。手で抜いてやろっか? それとも、挿れたい?」
つうっと下瀬のペニスを指先でなぞり問い掛ける。ちゃんと二択だ。トドメに続ける。
「下瀬は素直な良い子だから……抱かせてください、って、お願い出来るよな?」
小首を傾げて笑い掛けると、下瀬は眉を下げた顔をぽやっと赤らめた。
「抱かせてください、お願いします……」
「はい、よく出来ました」
精液で汚れていない方の左手でくしゃっと下瀬の頭を撫でて立ち上がり、しゃがんだままの下瀬に手を差し出した。
「……ズルくないっすかぁ? 俺が言わせたかったのに言わされたぁ……」
下瀬は俺の手を掴んで立ち上がり口を尖らせる。くくっと喉を鳴らして笑い、下瀬の手を引いてベッドに向かった。
「俺に口で勝とうなんて百年はえーよ。でもまあ、素直な良い子にはボーナスだ」
「ボーナス?」
ぽすんと仰向けにベッドに寝転がると、下瀬が俺の顔の両脇に手を付き覆い被さってくる。下瀬の後頭部と背中に手を置いて、きょとんとした顔を見上げて口角を上げた。ぐっと後頭部を引き寄せて顔を近付ける。
「もー焦らさないで。待ってらんねえ。抱いてよ。お前の好きにして」
そう言って、ちゅうっと口付ける。指定通りの言葉じゃないけど、こんなもんで良いだろう。引き寄せた口唇が強く押し当てられ、頭を両手で掴まれて、貪るようにキスが深くなる。
「んっ……はぁっ……あっ……しもせ……っ」
「上条さん、ずっるい……ねえ、大好きです。このまま俺のモンになってよ」
熱っぽい目でじっと見詰められる。可愛いやつだと思う。足をもぞもぞ動かし左右に開き、下瀬の腰を両膝で挟んだ。
「こういう時に聞くやつこそ、ずりぃと思うんだよなー……流れで言質取ろうっていう……ン……」
セックスはしたい。それはそれとして、付き合うかどうかは悩ましい。一発抜いてなかったら二つ返事で『なる♡』とか言ってた可能性がある。性欲こえー。
「だーって、上条さんシラフになったら断りそうじゃん」
「そもそも、民法上意思能力が無い時の契約は無効だから。酒に酔ってる時の契約は無効。試験には出ねーけど、セックス中に約束させんのも無効じゃね? 知らねーけど」
「も~~セックス中に宅建の話すんのも法律で禁止にしてほし~~」
下瀬は口をへの字に曲げて拗ねた顔をする。宅建アレルギーのおかげで良い具合に話を逸らせたが、来年こそは取れよマジで。
「バカなこと言ってないでさっさとゴム着けろ。下瀬ゴム買ってたろ、どこやった?」
「さっき脱いだパンツのポケットん中っす……あー、あったあった」
下瀬は一旦俺の上から身体を退かし、床に手を伸ばしてパンツを拾い上げる。下瀬が退いた間にサイドテーブルの下の段からローションを取り出した。
今更引くことねーとは思うけど、まじまじケツ見られんのもヤだし自分で塗っとこ。とか考えて、指先にローションを垂らして自分でケツに塗り込んでいく。ついでに下瀬が挿れやすいよう、枕を掴んで腰の下に挟んで尻を上げた。
「あっ、上条さん、俺がゴム着けてる間に一人でエッチなことしてる! 俺がやりたい!」
ゴムを着け終えたらしい下瀬が俺を振り向き、改めて身体の上に覆い被さってくる。
「すぐ挿れられるように濡らしてやったの。もう入る。だから、挿れんのはこっちにして」
下瀬を見上げて、ゴムを着けたペニスを指でつぅっと撫でる。デケェけど、シャワーでしっかり慣らしておいたからまあイケるだろう。
「すっ……げぇ、エッロいっす。暴発するかも」
「あー、はいはい……ん……そう、そこ」
「じゃあ、挿れますね?」
入口にぴとりと亀頭が宛てがわれ、下瀬の背中に腕をするりと回した。うん、とだけ短い相槌を打って下瀬を見上げる。視線が絡んだ。
「上条さん、好きです。本当、好き」
返事はしなくても良いらしく、顔が近付き口唇を塞がれた。ちゅうっ、ちゅくっ、と音を立てながらねちっこくキスされて、濡れた入口からペニスがゆっくり中へと押し入ってくる。
「んっ……ぁ……ンん……っ!」
「キッツ……上条さん、力抜いて……っ!」
腰を押し付けるようにして、ぬぷぬぷとペニスが中に入ってくる。下から内臓が押し上げられる感覚。下瀬のペニスははデカくて、圧迫感が凄い。
「あっ……一気に、奥まで、挿れちゃって、いい、から……っ! その方が、多分、ラク……うぁっ、あーっ!」
一番太い亀頭まで捩じ込まれ、目の前が一瞬チカッとして星が浮かんだ。たっぷりローションを注いで濡らしたナカで、ずるっと滑るように奥までペニスが一気に入る。
「はあっ……入ったぁ……上条さん、大丈夫っすか? 動いて平気?」
「んっ……へいき……だから……っ、下瀬の、好きに、動いて……」
そう言うと、ゆっくりペニスが手前に引かれ、奥までパンッと突き入れられた。また星が飛び「あっ」と声が衝いて出る。
ゆっくり、速くと不規則なリズムで内壁を擦りながら奥まで突かれ、スウェットを着たままの下瀬の背に爪を立てた。見上げて視線が絡むとキスされる。ねちっこく絡む舌に俺からも舌を絡めて応え、上も下も繋ぎ合わせた。誰かに抱かれる久々の感触に全身が昂りびくつく。デカいから良いところによく当たり、その度頭が白んできゅうっと穴が締まる感覚がした。
「上条さん、きもちい?」
「うん……っきもちー……はぁっ……」
キスの合間に問われ、気持ち良いと素直に返す。目がとろんとして、脳が蕩ける。
「このへん擦られんの好き? やだ?」
「あんっ、あっ、好きっ、きもちぃ……んぁッ、あ……ッ!」
甘ったるく訊かれながら良いところをぐりぐり押すようにペニスで擦られる。頭がバカになって、カケラの理性も手放しそうだ。
「きもちーなら、合格っすよね? ね、俺と付き合ってよ、上条さん……っ、俺の、恋人になってくれますよね?」
下瀬は俺の頭を抱いて、耳元で言う。もう二つ返事で『うん』と答えられる歳じゃない。
「……たまにセックスするくらいじゃダメ?」
「ダメっす。俺だけがいーもん」
頭を抱かれたまま、会話出来るくらいの速度でゆっくり中を擦られる。首筋に顔を埋める下瀬の頭をよしよし撫でた。
「別に、誰かれ構わず抱かれたりしねえし……こういうのすんのは、下瀬だけにするから……はぁっ……」
「それ、恋人となんか違います? なんで恋人になりたくないの?」
「……だって、本気で好きになっちゃうじゃん」
ぼやくように呟くと、耳朶にちゅっとキスされた。
「本気で、ってことは、もう好きっすよね? いーじゃん、俺に本気になってよ」
「マジになんのがこえーお年頃なの。分かれよ……ん……あっ……」
耳元に口付ける下瀬から逃れるように反対へと顔を背けた。今この瞬間下瀬が俺を好きだって気持ちに嘘は無いだろうけれど、それを言ったら今まで別れてきた奴らだってみんな付き合った時はそうだ。マジになってバカを見るのが怖い。そう思うのも仕方なくね?
「一回きりの人生、マジで生きたいじゃないっすか。俺、今までテキトーに生きてたけど、上条さんのことはマジっすよ。上条さんがマジにさせてくれたの」
顔を背けたところで追っ掛けられて、顔を覗き込まれてしまう。ちゅ、と軽く口唇に口付けられて笑みを向けられた。
「……俺、お前がそんなマジになるようなことしたかぁ? 調子良いことばっか言うんだよなぁ、営業マンは」
「信じてくださいよぉ~。誠心誠意真っ正直、表裏無いのが取り柄の営業マンですよ俺は」
マジで俺、こいつに好かれるようなことなんかしたっけ? という感じだ。まあ中央展示場に配置転換してきた時点で既にキャンキャン懐いていたし、こいつが東展示場所属だった時にも何度と顔を合わせているが。
「俺が客向けプロフィールに載せてるコメントのパクリだろそれは……ン……ッ何でお前、俺のこと好きなわけ?」
「んー、新人の頃からずっと優しくしてもらった積み重ね、に加えて……去年、営業所の忘年会で話したの覚えてます? 俺、三次会で隣の席で」
「…………覚えてねぇー」
丸ごと記憶に無い。年明けから新店長に任命されるというタイミングだったこともあり、死ぬほど飲んだ覚えはある。
「ですよね! 上条さん死ぬほど酔ってたもん。忘年会の直後に中央展示場所属になって、めっちゃ嬉しかったなぁ。元々上条さんのこと人として好きでしたけど、恋愛的に意識したのは忘年会の時っすねー。中央展示場勤務になった後はもう、どんどん好きになるだけで」
「待て、俺忘年会で何言った? 教えろって」
「俺、去年成績伸び悩んでたじゃないすか。でも上条さんはお前なら絶対やれるってすんごい俺の良さを熱弁してくれて、あとまあ、色々?」
照れ臭そうな下瀬の笑みがむず痒い。俺は酔っ払ってもベラベラ喋り続けるタイプだから、まあご機嫌にベラベラ喋っていたのだろうと予想は付くが。
「恋人居るの知ってたけど、それからチャンス狙ってて。別れてたって話聞いて、じゃあ今しか無いっしょと思ってたら事務所オナニーに遭遇出来たんで、チャンスをモノにして今こうなってるって感じですね!」
即堕ち二コマ、出会って何秒で合体シリーズかってくらいのスピードでセックスしている今である。が、下瀬の方には一応そこまでに過程があったらしい。
「くそ、事務所オナニー言うな……はぁ……っとりあえず、分かったから、腰を動かせ……っ」
身じろぎする度に中が擦れて焦れったい。着たまんまの下瀬のスウェットの襟ぐりを引っ掴み、引き寄せて口付けた。小生意気な口は塞いでやろうと頭を掻き抱く。舌を捩じ込み絡めると絡め返され、キスを続けたままにゆっくりと腰が動き始めた。
段々と腰の動きが速くなり、ぎゅっと抱き締めていても身体が揺れる。ベッドが軋む音と強く腰を打ち付ける音、それから、互いの荒い呼吸の音が鼓膜に響く。
「んあっ、はぁっ、んんぅ~~ッ!」
気持ち良さに首を反らして、口が離れては声が衝いて出た。ナカがきゅうっと締まり、開いた口から唾液が溢れる。幾度と絶頂感に襲われて、すっかり身体はくたくただった。その間もずっとキスを続けて舌を貪り、気持ち良さに飲まれてく。
「ぷはっ……上条さん……っも、俺、イきそ……イって良い……?」
「んっ……はぁっ……イって、いーよ……っ!」
口が離れて、蕩けた顔で見下ろされる。甘えた声と顔が可愛くて堪らなかった。あ、マジで好き。とか思わされて、最悪だ。
後で悔いるから後悔。後悔先に立たず。チョロすぎだろ。あーあ。
「あー……っ上条さん、好きです……大好き……っ!」
「ひぁっ、あんッ、しもせ……っ!」
俺も好き、と口に出す代わりに、ぎゅっと強く抱き締めた。
腰を強く、速く打ち付けられて、良いところを下から突き上げられる。刺激で押し出されるように、意思と関係なくびゅくっと精液が飛び出した。下瀬も身体をびくっと震わせて動きを止める。首筋に顔を埋められて、体重がずしっと重くのしかかる。
「はぁっ……上条さん……ねー、だからさ、恋人になってよ……」
「う……重てぇ……まず退いてくれ……」
「やーだ、恋人になるって言うまで退かないっす」
「おい、それ今度こそ脅しだろ……潰れる……」
体重全部預けられるとマジで重い。下瀬の背中をぼんぼんと軽く手で叩いてみたが、抜きもせず俺を抱き締めたままびくともしない。俺の方は潰れかけの蛙みたいだ。
「じゃー、俺のこと好き? 嫌い?」
「……嫌いなやつに抱かれたりしねーよ。だけどさぁ……」
きっちり二択で問われ、そう返す。クソ重いし、ちょっと苦しいけど、体重全部預けられてくっつかれんのは安心感のようなものも感じる。なんか、落ち着くっつーか。
「なら、付き合うのに悩む理由、全部言ってください。全部潰すんで」
「無理だろ。俺が嫌なのは、先の不安なの。マジになった時さ、同じ会社勤めな訳だし、別れた時ヤじゃん。展示場の配置が変わったとしても、エリア内の配置転換なら何度も顔合わせるし、付き合ったも結婚したも全部聞こえてくるし、お前は結婚して家建ててさぁ、そんで社内報に奥さんと子どもとの幸せショットが載って……とか考えると、きちぃ」
誰と付き合ったって別れの不安は付きものだ。だけど、半年前を思い浮かべて胸がじくっとした。
『ごめん。四季のことが嫌いになった訳じゃないんだけど』
とか言って振られて、終わり。忘れたフリして仕事に精を出したってまだ痛む。同じ職場で付き合うなら、別れた後もずっと影がチラつく羽目になるから余計に嫌だった。
「んー、上条さんって未来予知能力とかあります?」
「はあ? ある訳ねーだろ」
何を言うかと思えば素っ頓狂な質問をされて虚を突かれた。何言ってんだこいつ。
「じゃあ、そうはならないから大丈夫。そうなる未来があったとして捻じ曲げますよ。不安ならGPSアプリウェルカム、同棲とかは寧ろ大歓迎。毎日好きって言いますよ、俺。帰国子女だし」
「……それ帰国子女関係無くね?」
呆れた声を返すと下瀬は何か気づいたらしく「あっ!」と声を上げ、上体を少し離して俺の頬を両手で包み笑みを浮かべた。
「俺、アメリカ国籍あるから結婚も出来ます! アメリカ行かないとだけど!」
「……お前、藤原ハウス辞めて俺にアメリカ行けっつーのか?」
「上条さんが『やっぱ結婚したい!』ってなったらそーしましょ! てか、藤原ハウスってアメリカにもありますよね? 俺宅建は持ってないっすけど英語喋れるし異動出来そうっす! 上条さんも英語喋れんじゃん!」
「英語で商談出来るほどじゃねーよ……お前、マジか……くっ……あははっ!」
キラキラした笑顔で突飛な話をされて、呆れを通り越して笑えてきた。腹が捩れるほど思いっきり笑ってしまい、腹に力が入ってしまう。
「うぁっ、上条さん、締め付けられると勃っちゃう……俺、そんなおもろいこと言いました?」
「あははっ、勃て勃て! そしたらもっかいすりゃいーじゃん、そんときゃ今度は俺が上に乗って搾り取ってやる」
「マジすか⁉ うぉっ、めっちゃ嬉しい!」
笑いながらばしばし下瀬の背中を叩き、少し上体を起こして下瀬の口唇にちゅっと口付けた。笑いすぎて涙さえ浮かんでしまう。
ま、どうせ一回きりの人生、今この瞬間が一番若い。どうなるか分かんねー先を不安がるより、こいつの話に乗りたくなった。資金計画の不安を乗り越えて夢のマイホームが建てたくなるのと似たようなモンだ。
「――いーよ。お前の話にも、お前の上にも乗ってやる。好きだよ、下瀬。俺と付き合って」
「えっ、いーんすか⁉ やった! 俺帰国子女で良かったー!」
「帰国子女が決め手じゃねーから。睨めっこで笑わされた俺の負け」
くつくつ喉を鳴らして笑い、下瀬の胸を手で押して上体を起き上げた。そのまんま押し倒して、下瀬の太ももの上に乗ってやる。俺『上条』だし?
「なんでも押してみるもんっすね! 今日決め切れるとか俺って天才⁉」
「おー、ノリにノッてるエースくん、アメリカ行きは一先ず置いといて、年内あと三件決めてくれ」
「来月二件契約予定入れてるんであと新規一本っしょ? 余裕っすよ、絶対満塁サヨナラホームラン決めるんで見ててください!」
「んじゃ休み明け木曜からバリバリ働くこったな」
に、と口角を上げて見下ろして、出したばっかのはずがもう半勃ちになっている下瀬のシモから精液が溜まったゴムを取り去った。上体を倒し、軽いキスをひとつ。
「その前に明日は休みっすよ、デート行きましょ、デート!」
「じゃ、予約取れたら夕方松鷹鮨。今夜は二回戦ー。昼間はまあ、起きれたらどっか行こ」
「最っ高じゃないっすか! 二回戦と言わず三回戦行きましょ! まだバテてないっすよね?」
「三十で店長任された俺の根性見くびんな。お前をスヤスヤ寝かしつけてから清々寝たる」
キラキラの笑顔で見上げられ、意地悪く口角を上げてやる。最近は営業所でやってるフットサル行けてねーし、草野球ガチ勢かつ俺より若い下瀬の体力に若干懸念はあるが、そこは上司の意地でカバーする。
「やったー! 超幸せっす! 九回戦裏までやりましょう!」
「今から野球する気か? 俺はサッカー派なの。前半戦後半戦でこれから後半戦、アディショナルタイムで三回目して終わりが丁度良いだろ」
「野球楽しいっすよ、今度上条さんも草野球来てください! 俺のホームラン見せるんで!」
「じゃー行ってやるからフットサルも来いよ、教えてやっから。来月のフットサル行くつもりでいるし」
「はい! 楽しみにしてます!」
元気いっぱいな返事にふっと笑みが溢れる。
「わーったよ。今日から宜しく、うちのエース兼、良い子の恋人」
「えへへ、今夜も仕事もこれからも、どーんと方舟に乗ったつもりで任せてください!」
「それ言うなら大船……まあお前ノアだし方舟で合ってるか?」
下の名前が乃亜だからノア。案外上手い言い回しだ。
「乃亜の方舟、大船より強そうでしょ?」
「そりゃ世界を滅ぼす大洪水に耐えれる船だしな。でも下瀬に任せんの心配だから、操縦は俺がやるー」
「うぁっ、上条さん、それハンドルじゃないっすよ!」
「男のハンドルみてーなもんだろ」
くくっと笑い、半勃ちの下瀬のペニスをきゅっと握った。焦った顔が可愛くて、ちゅっ、ちゅっ、と軽いキスをしながら上下に扱いていく。
「――あ、言っとくけど、クーリングオフねーからな。やっぱキャンセルさせてくださ~いとか泣きついてくんなよ」
「上条さんこそキャンセルしたいって言ってももう無理っすよ! 入社以来キャンセル率驚異のゼロパーセント、下瀬乃亜です! 準備万端なんで、操縦お願いしまーす!」
速攻ガチガチになったハンドルにゴムを着けつつ言ってやる。が、満面の笑みで返された。よいしょと下瀬の上に跨って、ペニスを持って固定し亀頭にぴとりと入口をくっつける。
「わかったわかった。後は黙って俺に操縦されとけ」
「黙るの苦手なんで、塞いどいてください」
「はいはい……」
ゆっくりと腰を下ろして奥まで咥え、上体を倒して煩い口を口で塞いだ。調子の良い営業マンが二人合わされば、物理的に塞いでおかない限りセックス真っ最中だろうとお喋りが止まらない。上も下もぴったり合わせて塞ぎ、二回戦目にしけ込んだのだった。
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