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「周焔 さんの相方はせめてレベル・テンか百歩譲ってもレベル・ナインクラスのベテランかと思ってたけどなぁ」
実際、これまで彼と組んだモデルは皆そうだった。レベル・ナインといえば最高位のレベル・テンも同様なわけで、実力にしてもそうだが、年齢的にも三十路絡みになっているので、若手にとっては尊敬に値する者たちだ。それが蓋を開けてみればなんと相手は新人とくれば、皆が驚くのも無理はない。
「けど、雪吹冰 って有名だよな。事務所に入って一年足らずだってのに、レベルだきゃ結構高くて……確かシックスくらいまではいってるんじゃねえか?」
「俺、知ってる! 多分レベル・シックスで合ってる。まだ二十歳 そこそこだろ? 入りたてのガキンチョのくせして実力は神級って噂のヤツ!」
「ええ? 二十歳 でもうレベル・シックスまでいってるって、すげえじゃん!」
「顔も可愛い系だったよな。周焔 さんが超絶イケメンだから、事務所としても雪吹 と並べれば違う魅力の相対比って感じになっていいと思ったんじゃねえの?」
「けど可愛い系なら他にもいるじゃん! なんでまたよりによって新人なんかが選ばれるんだよー」
「ああー、信じらんね! 鐘崎 さんに続いて周焔 さんまでそんなヤツに持ってかれちまうとはー!」
誰もが大袈裟に肩を落としながらうなだれる。
「ウチの二大巨塔の隣は全滅かぁ。まあ俺らが選ばれるなんて夢のまた夢なのは分かってたけどさぁ」
「そう落ち込むなって! まだカジュアル部門が残ってんじゃん!」
「カジュアル部門はレベル・ナイン同士の清水剛 さんと橘京 さんだって。この二人なら妥当ってところじゃん?」
「うん、清水 さんと橘 さんってストリートボーイズって雰囲気を地でいってるもんね。この部門だけは納得!」
清水 も橘 も実力派のイケメンには違いないが、鐘崎 ・周 の二人と比べれば皆の興味はさほどでもない。ファンも多数ついていて人気はあるが、同じモデルという立場からすると身近な存在の部類なのだ。しかもカジュアル服担当だからイメージ的にも高嶺の花とまではいかず、自分たちでも地道に年数を重ねていけば、いつかは手が届くだろうと思う。よって、誰が選ばれてもさして焦れることはないのだが、問題はフォーマルとアンダーウェアである。部門的にもフォーマルはショー中心で華やかだし、アンダーウェアは世界的に有名なトップブランドが参戦しているので花形と言われている。それ以前に鐘崎 、周 の二人と組むこと自体がまさに夢なのだ。
「あの二人がカップリングモデルに選ばれないわけがないんだからさ。いずれは誰かに盗 られちゃうのは承知だったけどー。にしても相手が変人と新人だなんて……! 正直ショック……」
「つか、ファンからも賛否両論出そうじゃね? こりゃあ、今後一年間はネットも荒れそうだね!」
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