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7 カップリング初顔合わせ
その頃、噂の鐘崎 と周 は今後の打ち合わせの為、オーナーであるレイ・ヒイラギの部屋に呼ばれていた。周 の相方に選ばれた雪吹冰 も一緒である。
「うっほっほ! 見てみろお前ら! カップリングを発表した途端に、ものすげえ数の反応きてるぞ」
レイがパソコン画面を覗き込みながらニヤニヤと浮き足立っている。まるで俺様の戦略は大したものだろうと自慢げだ。
「レイさん、そんなことより俺の相方になるヤツはどうした。姿が見えねえが……」
鐘崎 が片眉を上げながら怪訝そうな表情を浮かべてみせる。
「おお、悪いな遼二 ! お前さんの相方はちょいと遅れて来ることになってる。ヤツは今日、ファッション誌の撮りが入っててよ」
間もなくやって来るだろうから待てと言いながら、レイはパソコンから離れて三人が座っている対面のソファへと腰を落ち着けた。
「じゃあさっそく打ち合わせを始めるか。まずは周焔 と雪吹冰 、お前さんたちは今日が初対面だったな?」
「ああ」
「はい……! あの、周焔 さんのご活躍は存じ上げておりますが、直接お目に掛かるのは今日が初めてです!」
キャリアもレベルも文句なし、加えて年齢からしてだいぶ上の周 は落ち着いたものだが、年下の雪吹冰 の方は大袈裟なくらいに緊張気味でいる。まるで機械仕掛けの人形のように固まってしまっている様子に、周 はクスッと笑みを誘われてしまった。
「雪吹 ――だっけ? そう畏まる必要はねえ。俺たちは同じ事務所のモデル同士、つまりは同じ釜の飯を食う仲間ってわけだ。緊張も分かるが、まずはリラックスだ! 楽にしろって」
「は、はい! あ、ありがとうございます……!」
そんな二人の様子を見て、レイも満足げだ。
「なかなかいい雰囲気じゃねえか。やっぱり俺の目は確かだったろうが」
二人を組ませた采配は間違っていなかったと得意顔でいる。
「焔 と冰 は歳も十くらい離れてるんだったな? だったら焔 が冰 のことを可愛くて仕方がねえって感じのスタイルでいくとするか」
このカップリングモデルというシステムでは二人の関係性を明確にするというコンセプトが与えられる決まりになっていた。つまりカップルを組んだその日から契約期間が切れるまでの一年間を互いにどのような立ち位置で振る舞うかを最初に話し合うというわけだ。
例えばカップルの片方がもう片方を尊敬していて、常に従順についていくといったような関係性。もしくは片方は慕っているが、もう片方は特にこれといった感情を持っていないという、片想いのような関係性。あるいは双方共に互いを信頼しているバディのような間柄。と、まあそんな感じでその年のカップルごとの持ち味を考慮して、どうすればより多くの読者やファンの話題を掻き立てられるかという二人の関係性を決めるのである。
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