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それから二日後、鄧 一家によって一命を取り留めたロナルドは、龍首 の本部がある高楼の一室にて意識を取り戻していた。周 らもまた、冰 の静養を兼ねて香港に留まり、帰国までの数日を周 家所縁のホテルに滞在。知らせを受けて、周 がロナルドの見舞いに出向いたのだった。
ロナルドは意識を取り戻してすぐに周 家の弁護士である曹来 から彼の命を救ったのが龍首 だと聞かされていた。自分が売り買いした青年がまさか一大マフィアの関係者だとは思いもよらなかったものの、龍首 たる組織がわざわざ手術入院までさせて生かしてくれた理由を非常に重く受け止めていたようだ。
自分は赦される為に生かされたわけではない、つまりは龍首 によって制裁を受ける為に一旦は命を繋がれたのだと覚悟してもいた。
「ロナルド・コックスだな? 加減はどうだ」
曹来 と共にやって来た周 を見た瞬間に緊張が走る。彼がファミリー頭領 の次男坊だと聞かされていたこともあってか、極度の緊張で生きた心地すらしなかった。だが、
「冰 を庇ってくれたこと、礼を言う」
思いもよらなかった言葉を掛けられて呆然、しばしは返答の言葉さえ発せずに硬直してしまった。
「い、いえ……手前こそ……」
理由はともかく、こうして命を繋いでもらえたことに感謝の意を表そうと思うも、まるきり言葉にならない。とはいえ、自分が売り買いしたあの青年のことについては謝罪しなければと必死に口を開いた。
「あの……あの子は……無事でしょうか」
「――冰 のことか」
「はい、あの……。手前があの子を売り飛ばそうとしていたのは事実です。謝って済むことじゃねえのは……分かっています。ですがとにかく……本当に申し訳ありませんでした!」
必死に身を起こし、ベッドから這いずり出すと、転げ落ちるようにして床へと頭を擦り付けた。
「申し訳ございません……! 赦されるとは思っていません! この命をもって償わせていただきます!」
周 も曹 もこの行動には驚かされたものの、すぐに鄧浩 を呼んで彼をベッド上へと担ぎ上げた。
「冰 を売り買いしたことは事実だな?」
「はい、その通りです」
「ではなぜ――売り飛ばすことも始末することもせずに行動を共にしていた」
まあそのお陰で大事に至らなかったことは幸いだったが――と付け加えながらも、周 はロナルドの答えを待った。
「……はい、すべてお話します。当初、あの子を引き渡された時は――すぐにも闇市で始末するつもりでした。ですが、あの子がカジノに行ってみたいと言い出したんです。こんな状況なのにカジノに行きたいだなんざ……少し頭が足りねえガキなのかとも思いましたが、どうせ後の無いことを考えたら最後の願いくらい叶えてやろうかという気になったんです」
最初はそう、本当に出来心だったという。だが、そのカジノで冰 が大勝ちし、大金を手に入れたことで考えが変わったそうだ。
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