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暴虐*
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すっかり息が上がったリンデルは、その頬も、肌も、ピンク色をしていた。
「色っぽくなったじゃねぇか」
ゼフィアはニヤリと笑ってリンデルを布団にうつ伏せに寝かせる。
その腰を両手で持ち上げると「入れるぞ」と言った。
「何……を……?」
ぼんやりとしてきた頭が、考える事をやめようとしている。
ゆるりと振り返ったリンデルは、ゼフィアが取り出したそのモノに背筋が凍りついた。
「え……、それ、を、入れるの……?」
「ああ」
ニヤリと笑ったその唇を、ゼフィアはリンデルの背に落とす。
びくりと揺れる肩。
「ぼ、僕の……中に……?」
「ああ」
答えながら、男はリンデルの背筋を舌でなぞる。
「んっ……」
ぞくりと甘い感覚が、少年の脳を蕩かす。
「力抜いてろよ」
(……あ、その言葉、さっき、カースも言ってた……)
グイとあてがわれたそれが、熱を帯びているのを少年は不思議に思った。
(僕のは、いつもひんやりしてるのに……)
熱く硬く、大きなそれがグリグリと力任せにねじ込まれる。
「んっ、そ、そんな、おっきいの、入らな……」
ピリっと何かが裂け、ズブズブと内側に入り込む衝撃に少年は目を見開いた。
「あっ、やっ、あぁあぁぁあああああっ!!」
開いたままの唇から滴がぱたぱたと布団に落ちる。
ゼフィアが少年の背に覆い被さるようにして、横から顔を覗き込む。
少年の表情は、苦悶のそれではなく、蕩けるように緩んだものだった。
一つ息をつくと、男は少年の首筋に顔を埋めて呟いた。
「……やっぱりお前、痛覚を遮断……いや、快感に置き換えられたな」
「ふ……ぇ……?」
「まあいいさ……それなら、遠慮なんかいらねぇよな?」
酷く冷たい言葉の響きに、リンデルの背筋が凍える。
男がどんな顔をしているのか不安になって、振り返ろうとしてよじった肩を掴まれ、ぐいと仰向けにされた。
「ぅあっ」
半分ほど刺さっていたそれをそのままに、体を回されて少年が声を上げる。
腰はがっしりと両手で男に支えられ、持ち上げられている。
「ほら、良く見てろよ、これが全部入るからな」
ニヤリと、ゼフィアは初めて会ったときのように、どこか暗い笑いを浮かべて言った。
少年の瞳に、未知への恐怖が浮かぶ。
男は、その姿に満足気に一つ舌舐めずりをすると、少年の腰を自分に引き寄せた。
ミチミチと音が聞こえるほどに強引に差し込んでも、少年から溢れるのは悲鳴に似た嬌声だった。
「や、やだっお腹、壊れちゃ……あっだめっ……んっんんっっ」
「お前がやるって言ったんだろ?」
もう少しで全部入りそうなところで、男は壁に阻まれた。
ぶるぶると震える少年の体をもう一度グイと引き寄せる。
「ぁあっ!」
リンデルの体が大きく跳ねる。が、それ以上先には進めない。
「なんだ、ここで終わりかよ。姉ちゃんの方にすりゃよかったな」
「ふっ、うー……うぅ……」
息が上がった少年が、頬を真っ赤に染めて、それでもふるふると首を振る。
目に溜まっていた涙が、ポロリと零れた。
「ふぅん? じゃ、強引にねじ込むとするか」
ニヤリと口端を歪めて、男はリンデルの両足を持ち上げると、腹につくほどに押しつける。
「うっ。あ。んんんっ」
息が詰まりそうになり、少年が苦しげな表情に変わる。
ぞくり、と男の背筋を熱が過ぎる。
「そういう顔の方が、俺は好きだぜ」
リンデルの顔の両脇に、男が手をつくと、そのまま体を屈める。
力任せに、男のそれは少年の中へ、深く深く刺さった。
「ふっ……あっ……く、ぅ……ぅ」
胸までも男に押し潰されて、途切れ途切れに息をする少年が、まるで溺れているみたいだ、と男は思った。
少年は苦しげな表情で、熱に浮かされたように額にも瞳にも滴を浮かべて、縋るように男を見上げていた。
男の脳裏に、ずっと昔、あの黒髪の青年がまだ少年だった頃の顔が過ぎる。
(俺に犯られて、毎晩殺せ殺せと煩いガキだったな……)
もっと追い詰められた顔が見たい。そんな衝動に駆られ、男は動き出した。
「んっ。あっ。んんっ。やっ」
ひと突き毎に、少年から声が漏れる。
中は狭くはあったが、まだどこもかしこも柔らかく、押せば押しただけ形を変えた。
しばらくその柔らかさを味わいながら動いていると、少年の声が切羽詰まってくる。
「ああっ、あんっ。や、だ……こん……んっ」
小さな体がブルルと震える。
ぱくぱくと開く唇が、うっすら紫色に変わって、酸素が足りないのだと気付く。
ちょっと圧迫しすぎたか。
ゼフィアが少し体を起こすと、少年はヒュウヒュウ音を立てながら、大きく息を吸い込んだ。
見る間に、青白くなりかけていた頬に赤みが戻る。
「大丈夫か?」
「んっ……ぁ……だい、じょうぶ……」
息苦しさから解放されて、快感のみが残ったのか、少年は小さく体を震わせると今にも蕩けそうな表情で、答えた。
まだ精通もない少年に、こうも快感ばかり与えるってのも、それはそれで酷な事だったんじゃないか? と、ゼフィアは心の中でカースに問う。
男はじっと少年を見下ろす。
表情こそ蕩けそうだが、その体は強引に掴まれ押し潰されて、肩や脚には痣が浮かんでいる。
引き裂かれた箇所からは、鮮やかな赤色が零れ落ち、そこらを点々と染めていた。
どう見たって悲惨な目に遭っているその姿。
男は心臓が高鳴るのを感じた。
(皆、酷い目に遭えばいい。俺がそうだったように。一人残らず、全員)
口端を歪ませて、ゼフィアはずるりとギリギリまで引き抜いたそれを、勢いよく突き立てた。
「ああああああっ」
小さな体が少しでも逃れようと動くのを、上から押さえ込む。
三度、四度と繰り返すうちに、少年の顔色が恐怖に染まる。
「だ、めっ、だめぇ……や、めて、僕っ、おかしく、なっちゃ……っ」
「そりゃそうだろ。お前はどこにも出しようがないんだからな」
ゼフィアは自分の口から出た言葉の残酷さに気付き、昂ぶる。
(ああ、こういうのも悪かねぇな)
「代わりに俺が、たっぷり注いでやるからな」
男の言葉も聞こえているのか分からないほどに、少年は恐怖に引きつった顔で、ただ震えていた。
「あっ、やっ。やだ、やだぁぁあ」
少年が、ふるふると首を振りながら、大粒の涙を零す様を、男は良い気分で見下ろしながら、奥へと深く抉りつつも速度を上げてゆく。
室内には、少年の鳴き声と、水音が絶え間なく響いている。
「や、め……やめ、ってっ……」
ガクガクと揺さぶられ、少年がゼフィアの腕に縋り付く。
「あっ、こ、こわい……こわい、よぉっ!!」
瞳にいっぱい涙を溜めて、それを恐怖の色に染めて。
それが目の前の男を煽るものとも知らずに。
「たすけて……っ、ぼく……っおかしく、なっちゃうぅうっっ」
助けを求めて伸ばされた手を、男の指が絡めてそのまま少年の頭上に拘束する。
初めての感覚に翻弄されて、ガクガクと震える少年の耳元に、男は唇を寄せた。
「俺がもっとおかしくさせてやるよ」
ゼフィアの言葉に、絶望を浮かべこちらを見上げる少年。
その瞳に滲んだ僅かな諦めが、男の背をゾクリと震わせる。
乱暴に少年の脚を掴むとゼフィアはそれを自身の肩にかけ、ぐいとリンデルの更に奥へと侵入する。
「あっああああっ!!」
少年のまだ細い太腿は、男の太い指が回ってしまうほどだった。
そのまま入るところまで押し込んで激しく揺さぶる。
「や、やだっ、や、あっ、やめっ……あああっ」
少年のとめどなく溢れる涙も唾液も、逃げられずもがく姿も、全てが男の嗜虐心を大きく煽る。
「あっ、あっ、ああっ、ああやぁぁあああっ!!」
一層激しさを増した男の動きに、リンデルは言葉にならない声を上げるしかない。
生まれて初めての快感を、どうすることもできず、ただただ心を侵されてゆく。
ぐっと、男が一際奥まで突いた。勢いに、肺が潰され少年の息が詰まる。
「……これで、終わりだ」
男が、眉を寄せて低く囁いた。
「ふ、あっ!? おっき、く……っ」
少年の目が、これ以上ないほどに見開かれる。
男は、さらに激しく動いた後で、しばらく動きを止めた。
「っっっ!! んんんんんんんんんっっっぁぁあああああああああっっ!!」
男の頬を伝った汗が一雫、少年の上へと落ちる。
絶叫の後、少年はぐったりと動かなくなっていた。
時折、ビクビクと小さく体が震えている。
「ふん、お前はこいつを助けようと思ったんだろうがな。どうやら逆効果だったようだぜ?」
ゼフィアは、暗く笑うとこの場にいない男へ、そう吐き捨てる。
少年の下では、シーツに赤やピンクの液体が数え切れないほどに飛び散っていた。
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