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揺れる金色*

 すっかり身体を薄紅色に染めた少年に、カースがいつもの言葉を告げる。 「指入れるぞ、力抜けよ」  少し前まで男達の物を飲み込んでいたそこは、男の指を容易く受け入れる。 「ん……っ……」  少年は少しだけ腰を浮かせかけたものの、それ以上の抵抗は無かった。  二本の指で少し様子を見ていた男が、三本目を挿入する。 「痛くないか?」 「っ……だ、大丈、夫……」  ギュッと目を閉じたままの返事に男は少し迷ったが、奥まで入れた指の先だけを軽く曲げてみる。 「んんっ……っあっ……」  その声は高く甘く、痛みを堪えるものではなかった。  ぐちぐちと音を立てて、男は少年の感じる部分を押しては離し、また押して、可愛らしい声を堪能する。 「ふ、あ、やっ、あっ、ああっ、んんんっ」 「……お前、可愛い声で鳴くよな」 「は、あっ、えっ? な、にっ、んぁんっ」  途切れながらも聞き返そうとするリンデルをそのままに、男はにやける口元を隠すように口付ける。 「んっ、んんんっ、ん、っ……」  口を塞がれた少年の嬌声が、男の口内に響く。  そのままさらに後ろを責めると、少年の口が空気を求めるように大きく開いた。 「ふぁっ、あ、あっ、あああっ、や、やだ……」  金色の瞳に浮かんだ涙がひと筋溢れる。  男は手を止めると、反対の手で少年の頭を撫でながら声をかけた。 「止めるか?」 「ち、ちがうの、なんか、ムズムズするっていうか、お腹が熱くなって、なんか……わ、わかんない……」  泣きそうな顔でリンデルは、きゅっとカースの胸に抱き付く。 「僕……おかしくなっちゃいそうで、こわい……」  震える小さな肩を包み込みながら、男は少年の涙をペロリと舐めて口元に笑みを滲ませて囁く。 「いいんだよ、おかしくなって」 「え……?」 「それは、気持ちいいって事だ。お前は感じてるんだよ」 「そう……なの……?」 「痛くはないんだろう?」 「うん……」  恥ずかしそう少し俯いて答える少年を、男はますます愛しく思う。 「俺がもっと、気持ち良くさせてやる」 「え、ええっ。僕、カースに気持ち良くなってほしいのに……」  少年の困ったような呟きに、男は笑った。 「それじゃ、そうさせてもらうよ」  ずるりと指を抜き取った男が、自身のズボンと下着をずらす。  大きくのけぞったそれの姿を見て、少年が小さく息をのんだ。 「わぁ、僕、カースの見たのはじめてかも……」 「そうか?」  首を傾げる男に少年は「うん、こんなに元気なところ、僕はじめて見たよ」と答えて、男を苦笑させた。 「入れるぞ、力抜いとけよ」  男のいつもの言葉に、少年は微笑みを浮かべる。 「いや、俺がやるよりお前がする方がいいか」  ふと、思い付いたように呟くと、男はそのまま体を後ろへと倒す。  膝に乗っていた少年は、滑り落ちて男の下腹部へ着地する。  僅かな水音。  男の熱い棒の先が少年の入り口に触れ、少年は小さく肩を震わせる。  男は少年のそんな仕草すら愛しくて、その腰を優しく支えた。  少年は男の瞳を見る。  森と空の色はどちらも少年を見つめ返して優しく細められている。  その表情に、少年はドキドキしながら聞き返す。 「えっと、カースの、僕が触ってもいいの?」 「ああ、自分で入れる方がまだ痛くないだろ」  言われて、少年はおずおずとそれを手に取る。  自分の以外のそれを手に取るのは、少年にとって生まれて初めての事だった。 「すごい……硬くて、大きいね……」 「そうか? あいつより――……っ」  リラックスしていた男が思わず洩らした言葉に、それを口にした本人が苦い顔になった。 「……悪い、忘れてくれ……」 「ふふっ」  少年が悪戯っぽい微笑みを浮かべる。 「じゃあ忘れるかわりに、僕のお願いもひとつ聞いてくれる?」 「な、なんだ?」  少年の細い指が、男のそれに絡み付いている。  愛しげに撫でていたそれを、少年は自身の穴へと、そっとあてがう。 「僕のこと、名前で呼んで?」  つぷ。と小さな音がして、少年が体重を乗せた分だけ、男のそれは少年の体内へと潜り込む。 「っ……」  小さな喘ぎはどちらのものだったのか、どちらもがほんの少し眉を寄せ、苦しげな表情をゆるめながら、詰めていた息をそっと吐いた。 「リンデル……」  男の声に、少年は嬉しそうに応える。 「カース……」  ズズズと音が聞こえるほどに、少年の中をいっぱいに満たしながら男のそれが奥へと侵入する。  少年の拙い仕草と一生懸命な眼差しに、男は腰を揺らしたい衝動と戦う。 「ん、ぅ……。カースの、が、僕の中に……入った、よ……」 「ああ、そうだな……痛くないか?」  男には、まだもう少し奥まで入れたい気持ちはあったが、この少年に無理はさせたくなかった。 「ん……大丈夫」  こわばる身体から力を抜こうと細く息をする少年が愛しくて、男はその頭を優しく引き寄せ頬に口付ける。 「リンデル、動けるか?」 「う、ん……」  耳元で囁かれた少年が、背筋をぞくりと震わせながら小さな手をそっと男の胸に乗せる。 「体重かけていいぞ」 「ん……っ……」  ぎこちなく腰を揺らしはじめた少年が、自らの動きに息を乱す。 「……あっ、……ん、んぅ……っ」  月明かりに金色の髪と瞳を潤ませた少年が、頬を染め辿々しく奉仕する。  はあっと熱い息を吐いて、男の瞳を覗き込む少年。  金色の瞳には不安と期待が覗いている。  男はくらくらとした目眩に襲われた。  少年は、男が感じているのか心配していた。  この小さな少年に、俺はこんなに大事にされている。  その事実を受け止めた途端、溢れ出す愛しさと喜びに男の森と空の色がじわりと滲む。 「……っ、んっ……、は……ぁ」  少年の体重を支えている細い脚が、ガクガクと小刻みに震え出す。  お前の小さな身体くらい、いくらでも俺に預ければ良いのに。  いたいけな姿に、男は堪えきれず腰を揺らした。 「ああんっ」  不意に突き上げられて、少年が甘く嬌声をあげる。 「っ、リンデル……あまり、可愛い声を出すな。我慢が効かなくなる……」  男が眉を寄せて苦しげにこぼす。  少年は切なげな表情のまま男に身を寄せて、唇を重ねると甘い声で囁いた。 「我慢、しないで……」  男はその囁き声に、顔も耳も頭の中まで煮えるような熱を感じる。 「僕のこと、めちゃくちゃに、して……」  吐息の混ざる、切なくねだるような声に、ギリギリで堪えていた男の理性はついに灼き切れた。  男は身体を起こすと、リンデルを抱きかかえるように両腕で支えて突き上げる。 「あっ、あ、あああっ」  のけぞる少年の背を支えながら、大きく深く、自身を打ち付ける。 「ん、あっ、あ、あ、ああんっんんっ」  少年の甘い声。  蕩けるような表情に、痛みに耐える様子は無い。 「ぅんんっ、あっあああっ、あん、ぅあん、ああん」  喘ぐ少年の口端から、飲み込めなかった雫が溢れる。  男はそれをぺろりと舐めると、動きは止めずに少年の肩に口付け、優しく尋ねる。 「……気持ちいいか?」 「ふぁ、あっ、きもち、いいよっ、あっ、いい、いいよ、カースっ」  半分泣き出しそうな顔で、顔を真っ赤にして必死に伝える少年に、男の熱が下腹部へと集まってゆく。 「そうか。俺もだ……」  ぎゅっと、少年が腕を伸ばし男の頭を抱く。 「あ、はっ、うれ、し……っ、んんっ、あああん」  あまり奥を突かないよう気を付けていたつもりの男に、少年が自身を強く密着させてくる。 「お前……っ」  焦る男の耳元で、少年が囁く。 「なまえ、で……っ、んんっ」 「リンデル……」  甘く響いた男の声に、少年が耐えかねて大きくのけぞる。 「ん、あっ、カース……っ、ああああっ!」 「リンデル、リンデル……」  少年の反った背を抱き寄せて、男が縋るように名を呼ぶ。 「あっ……、カース……ぼく、なん、か、……あっ!」  男には、もう動きを止めて話を聞くほどの余裕は無かった。 「んっ、あ、なんか、くる……、あっ、なんか……きちゃうよっ、あぁあっ!」  繰り返し甘く揺さぶられて、少年が目を見開く。  半開きの小さな口から雫が溢れる。 「あっ、や……、こわい、よ、カース……」  涙を浮かべ不安に染まった瞳で、男へ助けを求めるように伸ばされた手。  男はその手に頬を寄せ、そっと口付ける。 「大丈夫だ。そのまま受け入れていい」  男の優しい声にホッとした少年を、男は緩やかに揺らし続ける。 「ぁっん、あぁん、ぅあぁぁんっ」  鼻にかかった甘い声が、男を追い詰めてゆく。  限界の気配に、男が眉を寄せた。  少年が、ぎゅっと唇を噛んで何かを堪えようとする。 「んんっ、……んっ、んーーっっ」  その唇を、男の舌が優しく割り開く。 「はっ、あっ、カースっ、カースぅぅ」  少年が男の口の中でうわごとのように名を呼ぶのを聞きながら、男が自身の限界にそれを抜き取ろうとする。  それを少年の腰が追った。 「あっ、やだっ、抜かな、で、っ」 「リンデル、くっ」 「ぼくの、なか……、あっ、あぁぁああぁぁぁあああああ!!!!」  少年が大きくのけぞり叫ぶ。  一際大きくなった男のものから少年の中へと注がれる熱い体液が少年を満たすと、幼い身体はビクビクと小刻みに跳ねた。  快感の奔流に少年の目の前はチカチカと輝き、視界が急速に白く染まってゆく。  遠くに男の優しい瞳を見つめながら、少年は微笑みを浮かべて意識を手放した。

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