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第16話 Bランク模擬戦
一斉に周囲の機体の攻撃が始まった。
「おい倉海!避けてばっかいねーで攻撃しろ!」
御津八先輩の怒号が飛んでくる。
しかし混戦の中ではなかなか難しい。
避けると言っても攻撃が機体をかすっていくことも何回かあって、盾の無い雪椿では自分の身を守るのが難しい。
やっとのことで集団から離れ、先程のCランクの遠距離攻撃のように大砲を撃つ。バトルフィールド中央で機体たちがOUT表記にまみれていくのがわかる。
「前方近距離型スぺクタル接近!」
御津八先輩の声にはっとすると、中央の爆撃を逃れてこちらに突進してくるソード型の機体がすぐそばまで接近していた。
思わず機体を左右に旋回すると、フチがソード型になっている雪椿は接近してきた機体のソードをはじいた。
「後方から遠距離攻撃!直ちに移動せよ」
俺とソード型の機体がやり合っているところを狙われたのか、遠距離攻撃が飛んでくる。その場を離れるべく一気に加速してソード型の機体を置いていく。
置いて行かれた機体は遠距離攻撃を意識していなかったのか、そのまま攻撃をくらってOUTになった。
「前方右方向戦闘中。後方左方向からレーザービーム」
「うわっ……」
レーザービームを一旦停止して避けた後、距離を取りながら戦闘中の前方に向けて追撃型のミサイルを放つ。
ミサイルにぶち当たった機体たちがOUTになるのを見届けながら戦場をひたすらに移動する。
「端で遠距離狙ってる奴ら全員追撃で潰せ」
「はい!」
近距離型のスぺクタルに捕まらないように移動しながら遠方で漁夫の利を狙っていた遠距離型の機体たちを追撃ミサイルで落としていく。
「後方レーザーとソードスぺクタル二体つけてきてるぞ」
「ええっ」
「ミサイルはもうあんまし球数が残ってねえ。ミサイル使わずに何とかしろ」
「は、はいっ」
知らぬ間に二体に追いかけられていたらしい。逃げていたのを逆に二体に向かって突進していく。
レーザービーム型のスぺクタルが真っ先に攻撃を繰り出した。
そのまっすぐな軌道を読み危なげなく避けると、思い切り機体ごとぶつかった。
フチがソード型になっている雪椿の突進を受けたレーザービーム型の機体はその衝撃でOUTになる。
「う、うわっ」
と、そこにブォンとソード型のソードが雪椿の頭上を掠めていく。
「あぶねえな!本物のソード型とぶつかり合うのは分が悪い!一旦引け!」
「つってもこいつ粘着してきますよ!!」
「しゃーねえ、逃げながらミサイルで追撃だ」
俺は機体の戦闘が無い方向に向かって疾走しながら追撃ミサイルでなお追いかけてくるソード型を潰す。
そのソード型がOUTになったところで、岩谷のアナウンスが響いた。
『Bランク、戦闘終了だ。Cランクで生き残ってたやつらは全員落ちたな。これからはBランクとAランクの戦いになる。つってもBで残ってんのが5体……うちのクラスのAランクは3人しかいねえからすぐ決着がつくとは思うが……一旦休憩だ』
「……予想通りだったな」
「何がですか」
ヘルメットを外し水を飲む俺に御津八先輩がぼやく。
「雪椿の攻撃の火力だよ。普通、追撃ミサイル数発や大砲の1発や2発で他の機体もOUTになんかならない。ソードで体当たりしたって一撃でOUTにはならねー。それでも雪椿の攻撃一撃一撃の火力が高すぎて今回、他のやつらを早々に潰せた。……多分、SランクとBランクのホロスの力を一気に吸収したせいだ」
「……スぺクタルって、パイロットと精神を繋げるからパイロットの力やスタミナがそのまま機体の性能に影響するんですよね」
「そうだ。これはお前がホロスから受け取る力の器がでかいせいだ。これだけ動き回ってまだスタミナに余裕があるのもさっきのセックスで過剰にスタミナを受け取ったからだろう」
「なるほど……。じゃあ、景斗にも瑞貴にも感謝しないとですね。次の試合のAランクの機体は飛行型だから地上にいちゃ即OUTになりそうですけど……」
「気合で避けろ」
「ハイ……」
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