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第21話 門前払い

「じゃあな。クソレイプ魔カス野郎」  言いすぎだろ……!!  いや言い過ぎとも取れないようなことを俺は先輩にしましたけど!! 「待ってください!」  去って行く先輩を俺は追いかける。 「あっ……美駒!!」 「美駒君!!」  瑞貴と景斗も俺に続いて部屋を出る。  先に降りてしまっていたエレベーターを見て別のエレベーターで先輩を追いかける。  申請所の前でやっと捕まえた先輩の方を俺は掴む。 「先輩……もうあんな無理働きませんから!!俺、先輩のおかげでAランクのスぺクタルにも勝てたんですよ!!今後はオペレーターをしてくれるだけで……」 「信用できるか」 「この瞳が嘘を言っているように見えますか!?」 「見えるわ。触んな」  申請所に入った先輩は窓口へ一直線に向かっていく。 「今日はどうされましたか~?」 「艦隊の除隊手続きをしたいんですが」 「除隊理由は、何かご家庭の事情とかで?」 「そんなもんです」 「具体的には?」 「……まぁ……」 「艦隊の除隊手続きは、形式としてはあるんですが基本的に認められていないんですよ~。艦隊内で付き合っていた恋人同士が別れたから除隊したいとか、適合率ランクで入隊を許可したはいいものの性格のそりが合わなくて除隊させたいとか、そういうのも良くある話なんでね~。そんなに簡単に除隊はできないっていう風に規則ができちゃったんですよ~。よっぽどの理由でないと除隊や、艦隊の解散っていうのは認められていません~ごめんなさいね~」 「……なっ……」  絶句する先輩・  なんと。  ここにきて、門前払いである。 「淡先輩」  俺は背中からぎゅっと先輩を抱きしめ、耳元で囁く。 「絶対、大事にしますから……俺」 「っくそが……」 「淡先輩、艦隊抜けなくて済むんですね!良かった~」 「そうですね。僕ら一年だけじゃ心もとないですし、頼りにしていますよ」  瑞貴と景斗がほっとしたように笑う。 「そういえば美駒。Aランクのスぺクタルにも勝ったってどういうことなの?」  瑞貴がキョトンとした表情で俺の顔を覗き込む。 「ああ、それは――」  俺は淡先輩の手を握り、瑞貴と景斗と先輩と共に戦艦へ帰りながら今日の実習のことを話して聞かせた。

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