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第24話 ライバル
「まひるにライバルだなんだと言われて舞い上がっているようだが……Sランクのホロスが隊員にいるくせに、こないだの実習で互角だったということは、まひるの方がお前よりも格上だ」
「一君!三月君!なんでそんなこと言うの!!もうっ……美駒君、ごめんねっ。じゃああたしたち、そろそろ行くからっ」
気まずそうにまひるさんが学食をかき込み、席を立つ。
「ほら、みんなっ。もう行こっ」
「……まひるが、そう言うなら……」
「ちぇー。Sランクの子、見てみたかったのになぁー」
双葉と三月がまひるに急かされて、席を立つ。
「どうせ、こないだの実習でお前は……ホロスの力を受け取ったんだろう?」
一人残った一が、俺に問いかける。
「……」
俺の沈黙を肯定と受け取ったのか、一はフンと鼻で笑う。
「言っておくが、こないだの実習……俺達三人は、まひるに何もしていない」
「えっ!?」
瑞貴が驚いたように声を上げる。
「貴重な女だ。俺達三人はまひるを大事にしてるから……簡単に肌を重ねたりはしない。それに、俺達は三人全員平等で、同じだ。三人を一度に相手させるのは、まひるの負担になるからな。まだ俺たち全員の力を受け取るには早い。だから、まひるはホロスの力を受け取らずに……ただ一人の地力で、Sランクのホロスから力を受け取ったお前とやり合って、負けることなくただのスタミナ切れで退場になったんだ。これから俺達がまひるにホロスの力を使うようになったら……まひるはお前よりもはるかに強くなる。Bランクのパイロットが、まひると肩を並べた気になってうぬぼれるなよ」
「なっ……」
そう言い残すと、瑞貴が何か言う前に、一は颯爽とその場を去って行った。
「何黙ってんのさ!あんなにボロカスに言われて、黙ってないで何とか言い返しなよ!!」
瑞貴が学食を口にしながら俺に怒る。
「ご、ごめん……。でも、そうだよな……。まだ隊員がいないパイロットだっているみたいだし、ホロスの力を受け取らすに一人きりの力であの場で戦ってた奴だって、居ておかしくなかったんだって、そう思って……それで、何も言えなかった。それに、景斗どころか俺は瑞貴からも力を受け取って、完全にフルパワーの状態でやってたんだし……Aランクの奴らとやりあえたのも、まぐれってとこなのかもな」
「何弱気になってんのさ!勝ったんだから勝ちは勝ちでしょ!!何あの眼鏡男!!先輩だか何だか知らないけど馬鹿にして、ムカつく!!」
ぷんぷんと怒る瑞貴に、俺は何と返すこともできない。
まひるさんがホロスの力を借りていなかったというのもショックだし、一が言っていたことも少し気にかかる。
一はまるでまひるさんが三つ子の相手を一気にしなければならないかのような口ぶりだったが――、言ってしまえば、4Pで致すことが当然かのような――一人の女子に対して、あの三つ子は一体何をする気なのだろうか。
というか、一気に三人の相手なんて、可能なのか?可能ならば一体どんな風に……
なんてことを考えていたら、瑞貴がジトっとした目でこちらを見ていることに気が付いた。
「……今、何考えてたわけ?」
「い、いや何も……」
「もしかして、僕ら隊員というものがありながらあの女子のこと考えてたわけじゃないよね?」
「そっそんなわけ……ゲフンゲフン」
「……ま、あの女子は美駒のこと友達程度にしか見てなさそうだからいいけどさ。美駒って友達いないんでしょ?三つ子のあのホロスたちはムカつくけど……せっかくAランクのパイロットが声掛けてくれたんだから、縁は大事にしたら?」
「ま、まあ……そうだよな。スマン。ありがとう」
俺は瑞貴の言うことももっともだと、素直に頷いた。
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