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第25話 タイミング

 実習がある日にしか、淡先輩は戦艦を訪れることはない。  あれから何回か実習を重ねたが、ホロスの力を受け取る為に致すとどうしても瑞貴も景斗も力を俺に吸われすぎる為か、寝てしまう。  先輩はあれから俺と性行為をしない代わりに二人の代わりにオペレーターを一人でやっていた。  俺は相変わらずAランクのスぺクタルと戦いつつもSランクの伊集院にボコられる日々を過ごしている。  実習前に寝て、実習後に目覚めた後俺の回復をするために再度致した景斗と瑞貴は実習後は殆ど気絶している。  そんな風なので身体を合わせる以外のコミュニケーションを取る機会は限られてくるわけだが。 実習以外で戦艦、というか俺に寄りつかない淡先輩と違って、戦艦『雪椿』の隊員、景斗と瑞貴は、放課後は戦艦で俺と共に過ごすことが通例になっていた。 なんでもホロスとはそういうもので、パイロットのものであるホロスは傍に付き従うのが当たり前なのだという。 「なぁ、二人とも」  ふいに声をかけた俺に、ベッドで雑誌を読んでいた瑞貴、オペレーションの席に座って課題を片付けていた景斗がこちらを向く。 「いつも戦艦にいるけど、他に友達と遊びに行ったり、しないのか」  俺の素朴な疑問に、瑞貴が何を言っているんだコイツはと言わんばかりの表情で答えた。 「全寮制のこの学校で遊びに行くには外出許可がいるじゃん。そこまでして友達と外に出ようとは思わないよ」 「景斗は?……お前は友達以前に、高ランクの奴らとの付き合いもあるんじゃないのか」 「……確かに、あるにはありますが……。どうしてそんなことを聞くんですか?」  景斗の問いに、俺は頭をひねる。 「いや、俺は良いんだよ。友達、まひるさんぐらいしかいないしさ。でも、二人にはもっと別の付き合いがあるんじゃないかと思って。ずっと戦艦に居るのも、退屈じゃないか?」  あれだけ『朝顔』の隊員にボロクソ言われておいて友達面するのもなんだが、後にまひるさんはクラスで俺に三つ子の無礼について謝ってくれたし、一応まひるさんを友達としてカウントしながら俺は言う。 そんな俺に、瑞貴が呆れたようにため息をついた。 「……パイロットと一緒にいるのもホロスの仕事の内なんだよ」 「えっ?」  聞き返した俺に、瑞貴が一瞬声に出すのをためらって……再度、言葉を吐きだした。 「美駒は実習以外で僕たちとセックスしないけどさ……。よく考えてみなよ、今後パイロットの仕事が実習以外に急な敵との交戦になることだってあるはずなんだ。そんなときに、実習前みたいに時間を取って力の受け渡しをしてる時間なんかあるわけないだろ。フツーに考えてみなよ。他のパイロットは急な敵襲に備えて、ホロスの力をいつでも充電しておけるようにセックスするタイミングもコントロールしてる……、つまり、僕たちホロスと平常時も一緒に行動を共にしてるってこと」 「……えっ。そうなのか」 「そうなんだよ」  ということは、他のパイロットは実習でもなんでもない時に艦隊の隊員と致しているということだろうか。  若干ピンクなことを脳内で考えつつも、俺は質問する。 「急な敵襲って……なんだ?俺達まだ、高校生だぜ。軍に所属してるわけでもないのに、そんなことあるのか」 「……本当に知らないの?国外との交戦や国内のテロなんかは軍が処理してるけど、国内の警察の管轄を越えた犯罪やスぺクタルを違法に手に入れようと軍や学校に近寄ってくる犯罪者を片付けるのは僕たち養成学校にも仕事が来るらしいよ」 「な、なるほど……」  俺は瑞貴の回答に、目を瞬かせた。

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