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第4話

注文したスムージーはすぐに霧矢の元へ届けられた。これくらいなら飲めるかと思ったがドロッとしたそれは思ったよりも喉の通りが悪かった。 (野菜ジュースとかのがマシだったか?) そう思いながら無理やりスムージーを飲み込む。 ようやく半分くらい飲んだ頃だった、 「朝はそれだけ?せめてフルーツとか食べた方がいいんじゃないの?」 誰だ?と思って顔を上げるとそこにいたのは昨日クラブで出会った男、丸目塔矢だった。 「びっくりしてる?霧矢って学園のことには本当に興味がないんだね」 気が付かないと思わなかった、俺結構有名人なんだけどな、と塔矢は言った。昨晩のクラブでの塔矢しか知らない霧矢は、有名人とは?と怪訝そうな顔をしていた。本当にわからないんだ、と塔矢は苦笑しながら言った。 後ろから誰かが「会長」と塔矢のことを呼んだ。 「どうしたの?」 「いえ、そのような者とあまり関わらない方がいいかと思いまして」 そのような者、とは恐らくというか間違いなく霧矢のことだろう。金持ちの学校だから、基本的に素行が悪い人間は少ない。みんな育ちが良くて頭も良い、将来日本を担っていくような存在の方が多いのである。 霧矢自身素行が悪い自覚はあったし、この学園の人間と馴れ合うつもりはなかった。それにこの学園で浮いてる自覚もあった。 「そんなこと言うものじゃないよ、それに俺から彼に話しかけたんだから」 「ですが、」 塔矢が優しく諭すも、納得しないそいつは霧矢を睨んできた。良い子のお坊ちゃんに睨まれても何も感じなかったが、ただ少し腹が立ったのでギロリ、と睨み返す。そいつはヒッとなんとも情けない悲鳴をあげて塔矢の後ろに隠れた。 「君も、そういうことしないの」 「お前が俺に話しかけてこなければ、こんなことにならなかった。俺に関わるな」 そういうと飲みかけのスムージーを残して霧矢は食堂を去った。食堂を出るとズキリと頭が痛んだ。寝不足のせいだ、そう思い教室ではなく自室へ向かうことにした。 (休もう、きっとこのわけのわからない感情も頭痛も全部寝不足のせいだ) そう思い、酷くなる頭痛に耐えながらブレザーを脱ぐと制服のままベッドに倒れ込んだ。寝不足だったこともありあっという間に霧矢は微睡の中に落ちていった。

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