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委員長は短い黒の髪をわしゃわしゃと掻いて窓の方を見る。この教室から見下ろせば、そこはちょうどグラウンドになっている。
お外はとても楽しそうだ。
ぼくがいるこのギクシャクしたこの教室とは正反対の、明るい声がここまで聞こえてくる。
「……ごめんなさい」
ぼくは委員長の楽しみを奪っている。
全然ダメ。
ぼくって本当に何もできない奴なんだ。
自分を責めれば責める分、ぼくの目からは涙があふれてくる。
これじゃ、数式なんてまともに見れやしない。
だから余計に手が止まってしまう。
「おいおいおい、泣くなよ……もう」
そうしたら、委員長は落胆した、なが~い、ため息をつくんだ。
委員長をたくさん困らせてしまっている。
「ごめんなさい」
何回謝っても全然気分は優れない。
ぼくは肩をすぼめて唇を噛みしめる。
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