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ああ、ぼくってなんて……なんてお馬鹿なんだろう。 「ご、ごめんなさい」  ぼくは慌てて金色くんに渡したマフィンをもう一回ぶん取った。それから急いで教室を飛び出した。  走りながら思うのは、自己嫌悪だ。  ――最悪だ。  金色くんのお礼にって思って一生懸命作ったものが、よりによって苦手なものだったなんて。  これじゃあ、お礼じゃなくて嫌がらせだ。  いつもニコって笑う優しい金色くんに何かしたいって思ったのに……。  それさえも嫌がらせのひとつにしかならないなんてっ!!  委員長みたいにバスケットボールをしたいって言わなかった金色くん。  優しく丁寧に勉強を教えてくれて……。  金色くん、何も言わなかったけれど、きっとバスケットボールしたかったんだと思うんだ。  それでもぼくの勉強を見るために遊ぶのをやめて、日が暮れるまで勉強に付き合ってくれたのに、最後の最後でトドメを刺してしまったなんて……。

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