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 ……ズキズキ、ズキズキ。  痛む胸の理由は知っている。  金色くんに嫌われるからだ。  でも、嫌われたらどうしてイヤだって思うのだろう。  そもそも、ただ嫌いなものを渡しちゃっただけなのに、どうして嫌われるって思うんだろう……。  考えていくと、思い当たるのはただひとつ。  ああ、ぼくは……。  ぼくは、いつの間にか金色くんを、同性としてじゃなくて異性として見ていたんだ……。  金色くんのことを好きになってしまったんだ。  嫌われたかもしれないのに、けっしてあってはならない恋心に気がつくなんて最悪だ。 「さいあく……」  ぼくはマフィンだけを手にしたまま、学校の正門を抜けて家までの距離をまっすぐまっすぐ走った。 「イチくん、待って!!」  そうしたら、ぼくを呼び止める声が後ろから聞こえた。  この声は知っている。  ぼくが好きになってしまった金色くんだ。  彼はぼくを追いかけてくる。

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