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「うえええっ」  痛みに耐えられなくなったぼくは地べたにしゃがみ込み、うずくまった。  何に当たったのかと思ったら、目の前には、ぼくよりもずっとずっと背が高い、灰色の電柱がそびえ立っていた。 「……ああ、大丈夫? 電柱が目の前にあったんだよ。だから待ってって言ったんだけど……」  普段、いつも微笑む金色くんの声はとても悲しそうだ。  その声はすぐ真上から聞こえてきた。 「うええっ」  痛い。  ……とっても痛い。  痛いよ……。  打ったおでこも。  好きな人に嫌われた心も――……。  どこもかしこも全部痛くて、ぼくの目からあふれた涙が滝みたいに流れ出した。 「ああ痛いね。僕が追いかけたからだね、ごめんね」  ぼくが勝手に電柱にぶつかって、金色くんを勝手に好きになっただけ……。  だから金色くんはぜんぜん悪くない。  それなのに、金色くんは『ごめん』って謝る。  金色くんは悪くない。

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