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ぼくが好きと告げたら、金色くんも躊躇(ためら)いもなく『好き』と返してくれる。
だけど、でもね?
ぼくってば金色くんが思っているような奴じゃないと思うんだ。
「ぼく、泣き虫だしっ!!」
「うん、知ってる。可愛いよね」
えっ!? 可愛っ!?
いやいや、それだけじゃないよ?
だって、だってね?
「っ、それに、勉強できないしっ!!」
「うん、だからこの時間がとっても嬉しいんだよ」
うぇえっ!?
ぼくと同じことを思ってくれてるの?
いやいや、でもでもっ!!
「料理得意とか……男子としてどうかと思うの……」
「イチくんの料理美味しいもんね。でも、イチくんも食べてみたいな」
っふえ!?
ぼくを? たべる?
たしか、告白してくれた時もそう言ってた気がする。
食べるって、どういう意味なんだろう?
「あの、ぼく。骨ばっかりだし食べても美味しくないよ?」
首をかしげて尋ねてみると、金色くんはクスリと笑った。
えっ?
ソコ、笑うとこなの??
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