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「イチくん……」  どこか苦しそうな金色くんの声がぼくを呼んだ瞬間――。  ぼくの体が、ふわっ、って浮いた。 「ふぇ?」  びっくりして目を開ければ、そこにはやっぱり金色くんの整った顔がある。  でもさっきと違うのは、ぼくの背中にはふかふかな布があるっていうことと、金色くんの後ろは天井だったっていうこと――。 「可愛いイチくん、ぼくの部屋でふたりきりっていうことは、つまりどういうことかわかってる?」 「ひゃんっ」  耳元でボソッと囁かれたらとってもくすぐったい。  思わず体を縮めてしまった。  そうしたら……。 「っふ、んぅっ!?」  なに?  ぼくの口に、生あたたかい何かが重なった。  びっくりして目を大きく開けたら、目の前には金色くんがいる。  なにがどうなっているの?  頭が真っ白になってしまう。 「ん、う……」  ……息が、できない。  苦しくなって、口を大きく開けたら、口の中に何かが滑り込んできた。

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