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 男同士で恋愛なんておかしいもん。  でも、最後に……少しだけ――。 「金色くん……」  ぼくは両腕を伸ばして金色くんに甘えた。  ――次の日、金色くんにどうお別れを告げるか考えていると、やっぱり実行に移せないまま放課後になってしまった。  益岡先輩はもう屋上にいるだろうか。  そう思いながら、机の上に広がっている筆記用具をカバンの中に突っ込む。  だけどぼくは何をするのも遅い。  けっきょく、とろくさいぼくは、みんなが教室を出ていくのを見守ってしまう。  だから金色くんが目の前にいるわけで……。  そんな彼はぼくの姿を見て首をかしげている。  それもそうだ。  だって、ぼくの机の上にはいつもみたいに筆記用具も教科書も何もないんだから……。 「イチくん? 今日は勉強しないの?」  問われて、体がカチコチに固まってしまう。  だってぼくは今から益岡先輩に会いに行くから――……。  金色くんにさよならを伝えなきゃいけない。

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