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 ぼくは金色くんの腕を思い切り振り払った。  ……パシンッ。  乾いた冷たい音が、この屋上に、やけに大きく響いたような気がした。  その直後――。  今までにない強い力で後ろに引っ張られた。 「おい、お前ら何を……」  固まっていた益岡先輩はやっと現状を把握できたみたいだ。  金色くんに引き寄せられたぼくを見下ろし、そう言った。 「先輩には関係ないよ。僕は今、イチくんと話をしているんだから――」 「やっ、もう話すことなんてないっ!!」  これ以上、話していたら、益岡先輩に脅されていることがバレる。  そうしたら、優しい金色くんのことだ。  きっと意地でもぼくとバイバイしないって言うと思うんだ。  だからぼくは引きちぎれるかもしれないっていうくらい頭を左右に振り続ける。 「もう金色くんとはさよならするのっ!!」  言い終えるかどうかっていう時。  ぼくの体は地面に押し付けられてしまった。

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