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ほんの一瞬、正面にあった金色くんの顔が、泣きそうな……とても悲しそうに見えた。
いつも優しく微笑む金色くん。
どんな時でも自信たっぷりで、王子様みたいな金色くん。
それなのに――……。
金色くんのそんな悲しそうな表情を見たのは初めてで、戸惑ってしまう。
「かなっ……んぅ!?」
金色くんの名前を呼ぼうと開けた口は、すぐに塞がれてしまった。
ぼくの口の中に、あたたかい何かがすべりこんできたから、ぼくの口を塞いだのは金色くんの唇だってわかった。
ずっと深くなった口づけで、金色くんの舌は上あごをなぞり、ゆっくり歯列を舐めてぼくの舌に触れる。
おかげでぼくの体は電気が通うみたいにビリビリする。
金色くんは口角を変えて、金色くんの舌とぼくの舌がもっと擦れ合うようにされた。
まるで、ぼくの口の中も自分のものだと主張するみたいに自由気ままに動く。
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