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金色くんはニッコリと微笑むと、ぼくの腕を引き寄せ、冷たくて硬い地面から起こす。
すると、グルンと一回転させられた。
ぼくの視界には金色くんじゃなくて、戸惑いを隠せない益岡先輩の姿が映った。
「ねぇ、先輩。 イチくんの胸、膨らんでいるでしょう? 僕がずっと可愛がっていたからなんだよ?」
……ボソリ。
ぼくの耳元で囁(ささや)き、金色くんはあらわになったぼくのふたつの乳首をキュッと摘んだ。
「っ、やっ、やぁっ!!」
他人がいる前でこんなことはやめてほしい。
先輩の前でこんなことをすれば、よけい益岡先輩にいいようにされるだけなのに――。
金色くんの立場が悪くなるのにっ!!
「いやだっ、いやっ!!」
ぼくは金色くんの手を遠ざけようと、体をよじる。
だけど、金色くんはビクともしない。
それさえも楽しんでいるみたいに、乳首を摘んでいる指の力を強めたり弱めたりしてくる。
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