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☆
金色くんの顔が見たい。
こんなの嫌だよっ!!
それなのに、孔の中ばかりを金色くんに撫でられる。
「っふぇぇっ」
そこまで金色くんに嫌われたんだって思うと、とても苦しい。
目は大粒の涙をポロポロと弾き出す。
「もうそろそろかな……。ねぇ、先輩もどうです? イチくんの口。下は僕が塞いじゃってダメですけど、上は空いてますから」
――なにを言っているの?
固まるぼくに、金色くんはぼくを斜めにして、先走りを流している先輩自身の前に突き出した。
「そんなに膨れてちゃ大変でしょう? イチくん、よかったね。大好きな先輩を舐められるよ?」
さっきまで熱かった体が一気に冷えていく……。
自分でも、顔が青くなっているのがわかる。
――いや。
いやだ……。
「いやっ、やっ!! 違うっ、ぼく、ぼくは!! 金色くんじゃなきゃイヤなのっ。っふぇええっ。いやああっ!!」
ぼくが大声で先輩を拒絶した時――。
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