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 でもね、約束もしていないのに大好きな人に朝から会えたんだもん。  ニマニマしてしまうのは仕方がないよね。  締りがない気持ち悪い顔を金色くんに向けると、金色くんも口元をほころばせて、ニッコリ笑ってくれる。  うわわ、とっても優しい笑顔だ。  こうやって大好きな人と笑い合えることが嬉しくて、幸せで胸がいっぱいになった。  鼻の奥がツンとして、思わずウルってなる。  そんな時――……。 「おっはよう、一くんっ」 「うぇっ!?」  突然反対方向から声をかけられ、振り返ったら、同時にぼくの頭はすっぽりと包まれてしまった。 「あ~、今日も可愛いねぇ、一くんはっ」  この鼻にかかった声の人はそう――何を隠そう益岡先輩だ。  どうしてか、あの屋上での一件からこっち、ぼくは先輩に付きまとわれている。  これが、ぼくの、最近の日課になりつつあることだ。

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