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☆
コレって、どういうことなのかなぁ?
いい意味なのかなぁ?
それとも悪い意味なのかなぁ?
どうしよう、どうしよう。
どうしようっ、意味がわからなくって困るよっ!!
「イチくん」
「? ……んぅ!?」
みんなの反応のことを考えているぼくの名前を呼んだ金色くん。
顔を上げると、すぐに口が塞がれた。
「っふ……」
柔らかいこの感触は何回も味わったことがあるから知っている。金色くんの唇だ。
……って、ちょっと待ってっ!!
金色くんは公衆の面前で何をしてるのっ!?
自分の身に起こったことが信じられなくて体が固まってしまう。
「うわっ、ズルい」
「ズルいって何ですか。イチくんは僕の恋人ですよ?」
――えっ? 『恋人』ってソコ言っちゃうのっ?
みんないるよ?
ぼくの口は金色くんから解放される。
するとまたすぐに、腕に包まれた。
そうかと思ったら、次は誰かの柔らかい、『何か』がぼくのうなじに触れた。
「ぅえっ!? あ、やっ」
生あたたかいソレはうなじを擦っている。
擦られたうなじから背筋に向かって毛が逆立つような、ゾワゾワした感覚が生まれた。
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