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だけど、ゾワゾワだけじゃ終わらなくて――……。
チュウウウ。
ぼくのうなじが吸われた。
おかげで、ぼくのうなじにあるソレが唇だっていうことがわかった。
金色くんはぼくの前にいて、抱きしめているから、これは金色くんじゃない。
だったら、いったいぼくのうなじを吸ったのは誰?
考えることがたくさんありすぎて頭が真っ白になってしまう。
「ちょっと、何してくれてるんですか先輩!! イチくんは僕のですよ!!」
――ああ、やっぱり先輩の唇だったんだ……。
「ええ~? だって俺も一くん好きになったし!」
グイッ。
「うわわっ!!」
肩を引っ張られ、後ろに仰け反るぼく。
「諦めてください」
金色くんの声がした。
パフンッ。
「うええっ!?」
前に引っ張られ、また金色くんの腕の中に入った。
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