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第3話
side:箱部手
…白石希空から貰った新薬を今日は冥々の酒に混ぜてみたわけ、だが。
「冥々、俺だからって警戒心なさすぎでしょ。流石に。」
飲み屋から一足先に出て、夜風にあたる。
ここ、赤坂の空気は新宿より澄んでいて。でも
人の営みの温もりがあって好きだ。
タクシーに暫く揺られ、着いた先は池袋西口にある自宅だ。
「冥々、上がっていいよ。」
「おん…。わりい、なんか飲み過ぎたような気がする。」
「体調は…?」
さて、希空から貰った薬の効き具合はどうだろうか。たしか、説明では自白剤に近いものらしいが。
「悪くはねえ…けど、なんだろうな…うーん…」
「ちゃんと言って?」
「ちんぽ、死ぬほど痛え…」
「え?性病?」
「ばか、勃起治んないってこと。30分くらい、それこそタクシー乗ってるときからフル勃起なんだよ。」
…なんて?
「え、なんで?」
「わからんけど、いつもよりお前の匂いに酔ってる。」
「どういうこと?」
「俺が聞きたいよ。お前にだけは発情したくないって思ってたのに。…バニラ、いやノンケのが伝わるか。」
「そうだけど…。」
「自覚してて…飲んだ。これが催淫効果がかなり強い部類の自白剤だって。お前とワンチャンあるかなって期待した。」
「…っ!!」
喉が勝手に唾を嚥下する。目の前の男、いや、冥々が自分のために…?
「…ゆうたぁ、抱いて…?」
「そんな可愛い声、冥々から聞けると思ってなかった。…廻。ベッド行こうか。」
「…うん、いく。」
かなり素直で、とても可愛い。こんな感情自分でも男に抱くのか。いや、【冥々廻】だからこそこんなにも愛おしいのだろう。
「男は抱くのはじめてだけど、優しくするよ。冥々。」
幸い、知識は希空のおかげである。まさかこんな所で役立つとは思っていなかったが。
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