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第2話 会長と副会長のその後2

 俺がもし現場に駆け付けたところでミイラ取りがミイラになるだけかもしれなかったが、助けないと。と、心のどこかで瞬時に判断し、フェロモンの匂いがひときわ強い準備室の一つ――空き教室のドアを開けた。  そこで俺が目にしたのは。  長テーブルの上、ボタンの全部開いたシャツを腕に絡ませているだけの、ほぼ全裸といっても良い恰好で喘ぐ副会長と、副会長に挿入しながら開いたドアに反応してこちらを見る会長の姿だった。  会長は俺の姿を見ても、副会長を責めるのを辞めなかった。  俺に気付いていない副会長はかすれた声で嬌声を上げている。  Ωのフェロモンの匂いも色濃く残っているのに、その場には会長と副会長しか居なくて、二人は激しくまぐわっている。  机の上で揺さぶられている副会長のチンコの根本は、ノット……亀頭球で膨れていた。  ノットは、αがラットになったときに現れるチンコの根元のこぶだ。αがΩを孕ませるために現れるものだ。  会長のは、どうなのか俺の位置からは見えなかった。 「会長、何して……」  やっと声を絞り出した俺に、しーっと人差し指を口に当てて会長が笑う。  副会長は完全に俺に気付いていない。会長の責めに合わせて身もだえ、喘ぐ。泣き声のようなそれは、俺達と同じαとは思えないほど艶めかしい。 「お仕置き中」  そう言うと会長はさっさと去れと言わんばかりに手をひらひらと振った。  俺はドアを閉めると生徒会室へと急ぐ。  会長と副会長が学校で致していたことにも驚いたが……Ωのフェロモンの匂いが確かにしていたのに、あの場にΩがいなかったのも気になる。というか、お仕置き中ってどういうこと。  俺は混乱した。  しかし次の日、まさかの転入生の口から発されたという噂は2年の俺達の耳にまで届くこととなる。  なんと転入生は、副会長の運命のΩだったらしい。  副会長は転入生が転入してきてからその事に気が付いたらしい。会長と付き合っているにも関わらず、転入生に自分と番になるよう関係を迫った。  しかし鋼のような理性でもって街中でヒートから守ってくれた会長に惚れていた転入生は、これを拒否。運命の番よりも好きな相手と結ばれたいと、会長の名を口にしたらしい。  副会長は強硬手段に出た。  転入生を特別棟に連れ込むと、運命の番である二人の間にはまたヒートとラットが起こってしまった。  一度間違いを犯してしまえば転入生は副会長のものになる。手筈だったのだろう。  なんと副会長に組み敷かれる転入生の元に、フェロモンの匂いを辿ってか、会長が現れたらしい。  とどのつまり、転入生発信の噂では、運命の番である転入生を副会長が襲った。そこにヒーローのように現れた会長が転入生を守り、逃がしてくれたというものだった。 『お仕置き中』  そう言って笑った会長の顔を思い出す。  だからだ。  会長と交わる前、あの教室で副会長は転入生のヒートと共にラットを引き起こしていた。だから副会長のモノはノットで膨れ上がっていて――あれ、でもなんで会長は、ヒート状態のΩを前にしてもどうにもならなかったんだろうか。

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