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第9話
「……挿れるぞ」
「は?」
俺から指を抜いた観音寺の一言に、俺は思わず観音寺の顔を見つめる。
俺の感じる場所も見つけられていないというのに、こいつまじか。
「……俺もきついんだよ」
「は?」
よく見ると……観音寺はラットでもないのに勃起している。
その大きさが浮き出ていて、制服の上からでもよくわかる。
「……んで勃ってんだよ」
「好きな奴が目の前でイッて、乱れて、この手で今から犯せるってのに……勃たねえはずねえだろ」
「ちげえだろ。お前は、αをΩに変えて……だから、Ωに対して勃って……俺じゃなくて……」
そうだ。
こいつは、αをΩに変えることができて。
だから俺のことを好きだなんて言っていても、実際はΩや女の子相手に発情する……異性に欲情するだけの、そんな男で。同性の俺が目の前で裸を晒しているからといって、αの男のままの俺に対して欲情なんてするわけがなくて。
「っちげえ!ちげえよ、真城!!」
「何がだよ……勃起してんのはわかったからもうさっさと突っ込めや」
「そうじゃなくて!」
「んだよしつけえな」
「俺は……中学の頃からだって、言ってんだろうが!お前のことΩにできなくても、もしお前がΩにならなくても、俺はお前のことが好きだよ」
「はっ……」
なんだその口説き文句は。
それでもこいつは、今から俺を抱くというのだから現状は何も変わらない。
多分俺は、観音寺に抱かれて、それでΩになって、番になって――
そんな想像が頭の中を駆け巡る。
さっきまでΩとすれ違ったら、挿れたい、噛みたい、なんて衝動で頭の中がいっぱいになっていたのが嘘のように頭が冷えている。
「俺は、好きな奴が目の前でこんなことになってんの見て、勃起してんの。お前だから。αの男でも、好きなんだよ」
馬鹿言え。
それでも観音寺の持つ血筋の特殊能力とやらには、抗えないだろう。
「……真城」
勃起したモノを俺の尻に突きつけながら、観音寺が俺にキスをする。
柔く合わさった唇を名残惜し気にはなしながら、観音寺が囁く。
「本当に俺を好きみたいなこと、してんじゃねえよ」
「好きだよ、真城」
ズッと俺の中に観音寺のモノが入ってくるのがわかる。
キツイ。苦しい。全然気持ちよくなんか、ない。
それでも観音寺は無理やり腰を進める。
「ちょ……っと待て……」
「待てねえ。ゴメン」
俺がαの男だから挿れるには苦しいだけだと思っていたが、ひょっとしたらこいつのがでかいから苦しいのか。
考えたくもない想像をしながら俺は身を捩る。
というか、もう奥の奥まで入りきってる気がする。
これ以上奥なんてもう入らないだろう。
「……もういいだろ、動きてえなら動け」
「……もうちょっと」
「え?」
ごちゅっ。
観音寺は無理やり弾みをつけると俺の中に、そのでかいものを根元まで突き入れた。
「っひゅ……」
声も出ない。喉が渇いた音を立てる。
無理矢理割り開かれた奥の奥。
入ってはいけないところに入っている気がする。
「……トコロテン。エロ」
観音寺の声に確認してみると、俺のチンコは確かに観音寺に貫かれた衝撃のせいか、トロトロと射精して精子を垂れ流していた。
ラットのせいで流れ出る精子が止まらない。
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