19 / 49

第19話 紅一点

 場に女性がいるだけで、何だか盛り上がる。 シュンが嬉しそうに張り切っている。  意外なのは崇さんがバーベキューの肉料理が上手い事だ。  また、たらふく酒を飲む事になった。 「ケンタはもう一生酒飲まないって言ってたよな。」 「もう時効ですよ。あれは1ヶ月で時効。」 「結構、カイが酒強くて驚いたな。」  大きな肉の塊を焼いて削ぎながらスパイスの効いたソースで食べる。 「簡単なシュラスコだ。このタレが美味いんだ。」  崇さんがみんなに肉を削ぎ取ってくれる。ナイフの使い方がカッコいい。  不二子ちゃんが崇さんの隣でベッタリだ。 「はあー、酔っ払っちゃった。 お風呂の自慢してたよね、崇一緒に入ろう。」 「それは勘弁だ。 男ばっかりの中に紅一点でモテてるな。」  首に抱きついて 「アタシ、ずっと崇を狙ってたのよ。」  やんわりと首に抱きついた腕を外しながら 「いい加減にしろよ。お客さんの家だよ。」 「いいじゃない、無礼講でしょ。」  山根さんが嫌な顔をしている。 「白石さん、やめなよ。社長に言うよ。」 「あら,山根ちゃん。この前アタシにプロポーズして断られたの、根に持ってるんでしょ。」 「やめろよ!」  座敷に布団を敷き詰めてまた,雑魚寝だ。 「今夜は風呂に入ろう。男たちは一緒でもいいかな。」 「いくら何でも,狭すぎるでしょ。」 「じゃあ,順番で。」  二人ずつ適当に入り始めた。崇さんがゆっくり入りたいと最後になって俺と一緒だ。  俺が出る時、やっぱり不二子ちゃんが忍んで入って行った。  崇さんは驚いていたが笑って並んで入った。 「しょうがねえなぁ。」 「崇、アタシたち既成事実ってのを作ろう。」 「ははは、無理だな。俺、女はダメなんだ。」 「え? あの噂は本当だったの? 崇、そっちなの?」 「ああ、だからそばに来るなよ。 おまえに欲情しないんだよ。」 「ひどーい! ちょっとおっぱい揉んでごらん。」  無理矢理な展開に、崇さんは心底嫌そうにしていた。先に出た俺は脱衣所で全部聞いてしまった。ホッとしたような複雑な気持ちだった。

ともだちにシェアしよう!