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第22話 友達

 俺は会社の運営なんかに口を出す権利もない。 それでも放ってはおけない。いい加減な経営は社長の自業自得でも、突然の出来事にシュンの気持ちを思う。  初めて出会った時は胸糞の悪いエリート息子だと思ったが付き合って見ると気取らない純な奴だとわかった。  嫌な仕事も経験したがる。俺の提案を素直に受け入れる。何事も気取らないで取り組む。真面目な奴だ。  社長の息子だから、と敬遠しているのは周りの方だった。  そんなシュンがショックを受けている。 どうしたらいいのか。  それは古民家修復のスタッフたちにも伝わっていた。 「詐欺で立件させる。逃げてる奴を探す。」  崇さんとヨシさん、山根さんがテキパキと電話をかけまくっている。不動産屋の社長の高松も動いている。顔が広いのは高松社長だろう。  地元で長く商売をやっている。頼りになりそうだ、と俺は思った。  古民家の座敷で囲炉裏を囲んで煮込みうどんを作った。シュンが何も食べていないから、大鍋でうどんを煮た。  地元で取れたごぼうや大根、ネギ、人参をヨシさんが持って来てくれた。F市の倉庫マーケットで買った冷凍のうどんをぶち込んで鶏肉も一緒に煮込んだ。グツグツ煮えて美味そうだ。  騒ぎがあってみんな食事を取れていなかった。 夕方は冷えて来るから鍋が食欲を誘う。  みんなでほっこり温まって少し和んできた。 朝からの空気はピリピリしてささくれ立っていたからホッとした。  電話で高松さんと話していた崇さんが 「田中って奴を探させてる。 高松の所の者が見つけたようだ。 警察に突き出す前に少し締め上げるか?」 「ああ、話をきいてみたいな。」  シュンが言った。 「警察に突き出したら、事情がわからないうちに終わりにされそうだ。  話を聞きたい。損失を取り戻したい。」 「高松ん所の荒っぽいのが連れて来るって言うけどいいか?」  荒っぽいのって一体何?俺の知らない世界だ。 「シュン、これで状況が見えて来るね。 元気出しなよ。」  さっきからシュンは俺にもたれかかって小さくなっている。背の高いカッコいいシュンが何だか小さく見える。肩を抱いてやった。  崇さんがニコっと笑った。 「おまえたち、可愛いなぁ。」  俺は変な気持ちになった。  外に数台、車の入って来る音がした。

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