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第23話 反社?
数台の車から人相の悪い男たちが降りて来た。
黒いバンから小突かれながら、縛られた男が三人引きずり出された。
崇さんが出て行く。
「あ、小野田さん、連れて来ました。」
「ああ、ご苦労だったね。何人捕まえたんだ?」
「逃げた奴がいるんで、とりあえず三人です。
この中に田中って奴がいて、そいつが主犯かと思います。」
なぜかみんな崇さんに敬語だ。
「高松が事情を説明すると思います。
三人のガラ預けます。
警察には後でいいですかね?」
社長も呼び捨てなのに崇さんには丁寧なのが不思議だ。そして崇さんがすごい貫禄なのだ。
「どうします?
若いの何人か置いていきましょうか手伝いに。」
「ああ、そうだな。
いろいろありがとう、な。」
「とんでもありません。
また、お手伝いが出来るなんて、嬉しいです。」
この人たちは何者?
どう見ても反社だ。こんな人たちと崇さんは知り合いなのか?
俺は混乱した。崇さんの、厳しい職人の顔は知っているけど、反社の人たちに顔が利くなんて⁈
「座敷に運んでくれ。」
「はいっ。」
残った数人が素早く動く。さっきの人たちは黒塗りの高級車で帰って行った。
複雑な心境の俺に崇さんが近づいてきて
「あの人たちはヤクザだよ。
この辺一帯を仕切るT会のヤクザだ。」
運び込まれたのは顔を腫れ上がらせた男たちだった。猿ぐつわをされて声が出せない。
シュンと顔を見合わせた。
「崇さん、これはいったい?」
「警察じゃこんなに早く犯人を捕まえられなかったよ。ヤクザは動きは早い。
どこに逃げても見つけるんだよ。
敵に回さないように,ね。」
笑っている崇さんが怖くて、そして不謹慎ながらセクシーだと思ってしまった。
「座敷じゃ邪魔だから奥の物置部屋に連れて行ってくれ。」
若い人に言うと彼らはすぐに動いた。
すごい統率力だ。
(ヤクザって?)
「話を聞いてからで間に合うのか?
もう間に合わないのならそれでもいいような気がしてきた。」
シュンがそう言った。
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