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第24話 話を聞く

 捕まった男たちが座敷の奥から引き出された。 荷物のように奥に突っ込まれていたが、大したケガもしていないようだ。 「あなたが田中さんですか?」 「アンタたちはなんだ? こんな事をして,私は警察に行くからな。」 「どうぞ、行けるのなら。」  崇さんは落ち着いている。 「話を聞こうか?」  田中はしゃべり出した。 「私は何も。会社を大きくしたいという社長にアドバイスしただけですよ。」 「ずいぶん金のかかるアドバイスだそうだな。」 「初期費用がかかるんですよ。」 「ふざけるんじゃねえぞ。」  静かに言う崇さんに大声を出すより怖い感じがした。俺の知らない崇さんの一面を見た気がする。  ヨシさんと山根さんが知っている情報をシュンと俺に教えてくれた。 「田中さん、あなた地面師ですよね。」 もう業界では情報が出回っている。  森野倉庫を土地と会社ごと乗っ取ろうとしている。 「乗っ取ってどうするんだよ。 この会社を引き継いでくれるのか?」  シュンが口を挟んだ。 「え?」 「だってそうでしょ。 田中さんが親父の会社をもっと大きくしてくれるって言う話なんでしょ?」 「あっはっは、そうだな。 坊ちゃんの考える事は面白いな。 それじゃ、犯罪にならない。」  焦げついた会社の金の返済を求めて被害届を出さなければこれは立件出来ない。 「何もなかった事にしようってのか?」  田中の目の色が変わった。 「許してもらえるんですか?」 「高松さんも動いているんだ。収めどころがないよ。」 「おい、田中、何調子扱いてんだよ。」  ヨシさんが凄んだ。迫力がある。只の大工さんじゃ無さそうだ。それは崇さんにも言える。 「田中さんよ。アンタらの仲間を押さえてるんだよ。舐めるな。」  崇さんがどこかに電話している。 「そう、まだ、とぼけてるんで。 コイツらのガラ、どうします? もう少し詰めて計画を吐かせますか?」  聞こえて来るのはドスの利いた崇さんの声だ。 俺は、カッコいい、と思ってしまった。 「坊ちゃん、俊太郎さん、話聞いてくださいよ。 こいつら、何者ですか?  森野倉庫はヤクザと付き合いがあるんですか? 反社と。」  シュンなら懐柔出来そうだ、とすり寄って来る。 「脅し、くれてるのか? いい度胸だな、田中ぁ!」  ヨシさんの蹴りが飛んだ。

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