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第2話
旧校舎の3階の1番隅の教室はほぼ物置と化していて、物でゴチャついていたが人気はなく、俺と先輩のサボりスポットとなっていた。
人気者で常に周りに人がいる先輩は疲れるらしく、一人になりたい時に来るんだ、と俺にだけ教えてくれた。
「お前といると、心地いいんだよね」
「本当っすか?」
「なんか、うるさくないし、余計な詮索もしないし、お前と話してると心地がいいって言うのかな、安心する」
物で溢れた教室を二人で整理し、置いてあったソファーに座れるようにしていた。
先輩はいつもこのソファーで俺に膝枕をさせた。男の膝で寝て何が楽しいのだろうか、と思い先輩に問うたが、先輩はこれがいいの、としか答えてくれなかった。
「先輩にそう言ってもらえると、光栄っすね」
「本当にそう思ってる?」
「思ってますよ、すみませんね、感情が表に出づらくて」
「はは、まぁそういうところも気に入ってんだけどさ」
「はぁ、」
昔から、学が何考えてるのかわからない、と言われるくらいには表情筋が死んでいた。でも先輩はそう言うところがいいんだよ、と言ってくれるので、まぁいいかと思っている。
「この俺に気に入られてんだぞ、もっと喜べよ」
「先輩のことは好きっすけど、そういうところはどうかと思います」
顔がいいからこその発言だ、自分が愛されて当然という先輩の傲慢なところはほんの少しだけ苦手ではあった。
「ほんっと可愛くねーな」
「いや、男なんで可愛いとか言われても困るんで」
「そんなんじゃ、モテねーぞ」
「別にモテなくてもいいっていうか、そういうの興味ないんで大丈夫です」
「あっそ。…………あのさ、」
「はい?」
その時の先輩は珍しく歯切れが悪かった。いつもだったら先ほどのナルシスト発言のようなことみたく、なんでもズバズバと言ってくるのにどうしたのだろう?と思ってしまうほどに。
「どうしたんすか?」
「俺さ、試してみたいことがあって、付き合ってくれる?」
「はぁ、まぁ、内容によると思いますけど」
「そこはなんでもするって言ってよ」
「えぇ、でも犯罪的なことは嫌ですし、できる範囲のことだったらやります」
「あっそ」
お前らしいよなぁ、と言って先輩はなかなか本題に入ろうとしない。先輩の目をじっと見つめて、早く話すように促す。
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