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第3話

「とりあえず内容教えてもらってもいいですか?内容次第で決めるんで」 「……男同士ってのがどんなもんなのか気になっててさ、ちょっとヤってみないかっつーお誘い」 「は?」 先輩の口からそんな突拍子もないことが飛び出るとは思ってなかったため、混乱した。なんで俺なんだろうか、あ、いや、気に入ってくれているからか。 先輩の突然のお誘いに動揺し、先輩から目を逸らす。 「ほらそういう反応する、ちょっとした興味本位的なものだから別にいいんだけどさ。ごめん、気分悪くさせたなら」 「いや、別にそんなこと思ってないっすよ。先輩でもそういうことに興味持つんだって思っただけなんで」 「引いてねぇ?」 「え、あぁ、はい。それで俺が抱かれればいいんすよね?でもちょっと初めてが学校の物置ってのは嫌なんで、せめて場所変えてもいいっすか?」 「いや、そうじゃなくて」 「?」 先輩はさらに歯切れが悪くなった。明後日の方向に視線を泳がせながら、もじもじとしている。そんな先輩を見るのは初めてだったし、きっと多分、他の人には見せていない表情だろう、そう思うと少しだけ気分が良くなった。 でも先輩はさらに驚くことを口走った。 「俺が、抱かれて、みたいなぁーなんて」 「え?」 鳩が豆鉄砲食らった顔って多分こんな感じなんだろうな、と思った。念のため補足しておくと、俺は173cmあってなんとも普通の身長だが、間違っても女には見えない。 だが、先輩は前述の通り、体躯がよく185cmもあるのだ。だからこそ、俺は自分が抱かれる側だと思い込んでしまった。 「やっぱり気持ち悪ぃ?俺が抱かれたいとか言ったら」 不安そうな瞳で俺を見つめる先輩に、不覚にもキュンとした。こんなに可愛いこと言えるんだ、この人も。 「え、いや別に全然、先輩がそう望むんだったら付き合いますよ。てか逆に俺でいいんですか?なんかもっと他に適任がいると思うんですけど」 「お前がいーの、こんなことお前以外に頼めないっつの」 先輩が頬を赤らめながらそう言うのを見て、ほんの少しだけ優越感に浸った。学校のみんながかっこいいと持て囃すこの男が、年下の何の取り柄もない俺に抱かれたいと懇願してきたのだ。 自分は特別ゲイというわけではないし、バイというわけでもないと思う。普通に女の子が好きだと思うけど、先輩が自分のことを好いていることが嬉しかったし、頼まれたとき嫌な気持ちはしなかった。 俺は思っていたよりも先輩のことを好ましく思っているのかもしれない。だから、気がつくと了承してしまっていた。 「それで、どこがいいとかあります?俺の家は普通に夕方は母親がいると思うんで無理だと思うんですけど」 「俺、一人暮らしだから、俺ん家でシよ」

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