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第9話

人の気配で意識が浮上する。 時計も外さず寝てしまったのでゆっくりと腕を挙げ、ちらりと腕時計を確認する。 思いの外よく寝ていたらしく、表示されている時間は寝た時間から結構な時間が経っていた。 寝る前にしていた頭痛も治まった気がして少し安心する。 そろそろ湊の様子を見にいかねばと起き上がろうとすると、下半身に妙な重みとぬくもりがある事に気が付いた。 視線だけを下へ向けると、黒くてもじゃもじゃとしたものが足の間に居るのが目に入る。 得体の知れない物体に驚いてビクリと身体が大きく揺れた。 私の動きに気が付いた黒い物体がゆっくりと動きだす。 「なんだ…これ」 その黒い物体の動きを見ていると、物体の下の方からぬっと白い手が出てきた。 予想外の出来事に人間驚いたり、強い恐怖を感じると動けなくなるが私も例に漏れず複雑な感情で動けずにただその物体の事を静観していた。 その物体が何をするのかと見ていたが、ベルトのバックルに手がかってスムーズにそれを外す。 信じられない速さで下着をずらされ、まだ勃起すらしていないペニスに近づいた黒い物体によってペニスが飲み込まれる。 ぬるりとした感触に黒い物体の正体を悟って引き剥がそうと手を伸ばすが、それよりも早く黒い物体が上下運動をしはじめた。 じゅるじゅると湿った音をたてながらペニスを刺激され伸ばした手が久々の快楽に黒い物体を撫でるのに動く。 「湊…そんな事しなくても…」 黒い物体の一部を掻き分けてやるとペニスを口いっぱいに頬張る湊の顔が見えた。 ペニスのせいで頬がイビツに膨らんでおり、やっとこちらを見上げたのでぱちっと目が合う。 湊は私を見ながら無表情ながら口をすぼめつつ、ペニスに舌を絡ませる様に頭を上下に動かす。 湊の口からぐぽぐぽと空気を含んだ音がしている。 性処理の為に飼われていただけあって湊は手練れておりすぐに絶頂が近くなって来てしまったので、流石に慌てて湊を押した。 「ちょっと頭を冷やして…いや…やめまっ!」 押したことで素直にちゅぽっと空気音を立てて口を離した湊に私はほっと息を吐いた。 一旦湊から離れて話をしようと身体を起こそうとしたのだが、もう一度こちらをちらりと見て亀頭を飴でも舐める様にわざと舌をだらりと出してペロペロと舐め始める。 今度は挑発的にこちらを見ながら亀頭をつぽつぽと浅く出し入れを繰り返したり、また舌を出して鈴口から下に降りて括れの部分も汚れでも取る様な動きをされれば私は一溜りもなかった。 「こら…離しなさい!うっ…」 流石にそろそろヤバイと思って湊の頭を押して引き剥がそうとするが念入りにペニスを舐められ、つい湊の口に果ててしまった。 湊は表情を変えることもなく、私の絶頂の直前に亀頭をすっぽりと口に含んで精液を口で受け止めていた。 「あー」 「もう!ぺっしなさい!あ、こら!」 射精が終ると、私はゆっくりと上体を起こした。 ふぅとため息をつきつつ湊を見ると尿道に残る精液も吸い取る様にペニスに吸い付き、それが終ると大きく口を開けて私に自分の口内を見せつけてくる。 恥ずかしい程に出してしまったのか、湊の口の中にはなみなみと精液が溜まっている。 それを見て慌てて周りを見回すがティッシュなどの箱も何も無くて汚れるのを覚悟で手で受け止めるつもりで手を差し出したが、湊はすぐに口を閉じて躊躇なくごくりと精液を飲み込む。 咄嗟に湊の頬を掴むが、やはり表情は変わらず今度は口を開けて口の中が空であることを見せてくる。 「水を飲ませ…いや吐かせるか。あぁ。大丈夫…怯えた顔しないでください」 別に飲精自体は人体への影響はないのだが、ろくに食事などしていない身体ではどういった体調の変化があるか分からない。 なので水分をとらせるか、吐かせるのが一番早いかと考えていたらつい口に出してしまっていた。 私の言葉に怯えた顔をした湊の頭を安心させる様にゆっくりと撫でる。 湊を撫でながらボサボサだった髪を手櫛で整えてやっていると、また湊がペニスに顔を近付けた。 私は慌てて自分の下着を引き上げ湊の身体を抱き上げる。 「もうそんな事しなくていいんですよ?」 動きを封じる様に正面から抱きしめると、私の肩に頭を乗せてきた。 こういった姿は怯えていたのが嘘なのではないかと思うほど素直で少し不思議だった。 子供をあやすつもりで、背中をトントンと叩く。 しばらく背中を叩いていると頭は肩に乗せてきたが、腕はだらりと垂らしたままで身動きを取らないので寝たのかと思って少し身体を離すとパッとこちらを見てくる。 寝ていなかったのかともう一度抱き止めようとしたが、湊が自ら身体を起こす。 「あー。湊…マジか…。あー。気が付かなかった」 上着は玄関でファスナーが上手く外せなかったから諦めた様だが、下半身は脱ぐだけだったので静止したが脱いでしまっていて病院着を身に付けていなかった。 上着をぺらりと捲って私に下半身を見せてくる湊に、治まった筈の頭痛が再び襲ってくる。 行動だけ見ると変態に遭遇した人と変態なんだろうが、とうの変態さんが全く無表情なのだ。 羞恥心は無くなってしまっているのか、むしろ私が頭を抱えた事に不思議そうにこちらを見てくる。 「あー。違います違います。後ろ向いて孔を見せて欲しい訳じゃありません」 私が無反応だったからか、今度は後ろを向いて尻の肉を左右に割り開いて見せた。 ぱっくりと縦に割れているアナルがひくひくと小刻みに収縮している。 色素も濃くなって明らかに性行の為に使われてきたであろう事が分かる。 まじまじと見てしまったが、違うんです。 前じゃなくて後ろを見たいから頭を抱えているのではありません。 それを伝えても湊は不思議そうにしていたが、閃いたとでも言うようにまたこちらを向いて上着をめくりあげ胸を見せてくる。 寝ている時には見たが、改めて見ると身体はガリガリで脇腹には骨が浮いて見えているのに、メス化してうっすら胸についた肉のおかげで胸を寄せると少し谷間ができていた。 乳首は引き伸ばされ長く、ピアスまでついた乳首は湊が肉を寄せるとピアスの重みでプルプルと上下に動く。 乳首もまじまじと見てしまったが、そうじゃないんです。 私はむしろ服を着て欲しいんです。 「とりあえず服は着てください」 「せっくすしないの?」 「しませんねぇ」 不思議そうにしている湊の上着を戻し、とりあえず動けない様に再び抱きしめる。 私の腕の中で大人しくしている湊の腕を取り、手首辺りを押さえ脈拍を測る。 脈拍が正常な事を確認してふぅとため息が漏れた。 「起き抜けにあんな事されたら、流石に驚きます」 「でも、ごしゅじんさまにはしないとおこられるよ?」 やんわりではあるが少し注意すると、また不思議そうにこちらを見上げてきた。 こてんと首を傾げる姿は実にあざとい。 「ご主人様にこんな事してたんですか?」 「うん。まいにちしてたよ。ごしゅじんさまをふぇらでおこして、そのあとおしっこものまなきゃいけないの。なかなかだしてくれないから、ずっとなめてなきゃいけないのがたいへんだけど、“おきゃくさま”にもするとすごくよろこんでくれたよ」 湊の発言にまたしても頭痛がする。 やはり本人から話を断片的に聞くだけでも“ご主人様”が異常者だと分かる。 毎日フェラで自分を起こさせ、飲尿までさせるなんて湊の事を人間とは思っていなかったのかもしれない。 湊も安心したのか何なのか家に帰って来てから言葉遣いが幼くなった様に感じて、もしや幼児退行なのではとまた頭痛の種ができた事に気が遠くなりそうだった。 「私は新しいご主人様でも、ましてやお客様でもありません。先程の事は不可抗力ですので、今後はこんな事しなくて結構です」 「じゃあ、ぼくあたらしいごしゅじんさまのところにいかなきゃいけないの?」 湊の言葉にぐっと言葉を飲み込む。 確かに今の私は湊のご主人様でもなければ、ましてやお客様でもない。 では一体何なのだと聞かれれば、保護者なのかもしれないがそれを湊に言ってもいいものなのかと悩む。 「ちがう?」 「今は何と答えていいのか分かりませんが、新しいご主人様のところに行かなくて良いように面倒を見るつもりです。約束もしましたし。君が他に行きたいと言うなら喜んで送り出すつもりではありますよ」 珍しく答えを催促されて、今の気持ちを素直に伝えてみた。 湊は困った様に私を見上げてくるが、特に何も言ってこない。 多分私の優柔不断な答えに不安が拭いきれないが、だからといって私にそれ以上聞けないと思ったのだろう。 きちんとした答えを出せずに申し訳ないという気持ちを込めて背中をまたトントンと叩いてやった。 「とりあえず空きっ腹で飲精だけは、自分でしでかした事ながら申し訳ないのでとりあえず胃の中の精液を吐き出すか、水でも飲みましょう」 そう言えばと湊をベリっと身体から剥がし、私はベッドから降りる。 スラックスを整えながら湊に立ち上がるように促す。 おずおずと手を伸ばしてきたので、その手を取ってキッチンに向かう。 湊をソファーに座らせてサイドテーブルを見ると渡したコップから水が減っていなかった。 時間が経っているのでコップの中身を捨てて新しく水を注ぐ。 「どうぞ?」 コップを渡し、飲むように促したが困った様にコップと私を交互に見ている。 そう言えば床に置いた物しか自分で飲み食いしてはいけないのだったと、コップを床に置くが今度はソファーから降りずにこちらをチラチラと見ていた。 先程は歩いてこの部屋まで来たので歩けない筈は無い。 どうしたものかと悩んでいると、湊がおずおずと口元に手を当てて小さな声で話している。 「あの、おしっこ…」 湊に耳を近付けると、控えめに主張をしてきたので慌てて湊を抱き上げてトイレに向かう。 便座の前でおろして踵をかえそうとするが、袖を掴まれる。 振り向くと、湊はトイレのタンクを抱える様にして顔をこちらに向けつつ少し中腰で便座を跨いだ。 嫌な予感がして反射的に顔を反らすもぱしゃぱしゃと水音が聞こえる。 湊のご主人様の様な趣味が一切無いので、これに毎回付き合わされるのかと思ったら気が滅入りそうだった。 これからどうしようかと私の方が途方にくれてしまうのだった。

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