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エピローグ

 ――数ヶ月後。友則さんは週末になると〈はなれ亭〉の手伝いに来てくれるようになった。カウンター越しに並んで皿を拭く姿を、母さんが奥から目を細めて見ている。 「拓海、いいパートナー見つけたわね」  その一言に、僕は思わず顔を伏せた。隣で友則さんが、ふっと笑う。 「……だってさ」 「聞こえてます」  笑い合ったあと、ふたりの間に小さな沈黙が落ちた。  昼の客が引いたあと、店の外には春の風が吹いていた。桜の花びらが風に乗って舞い、開けっ放しの引き戸から暖簾をかいくぐり、ひらりと店内に入り込む。まるで“春の妖精”が、今日も食堂に立ち寄ったみたいだ。  閉店後、僕と友則さんは公園へ向かった。並んで歩くと、彼の手が自然に伸びてきて、指先が触れ合う。そのぬくもりを確かめるように絡み合い、春の暖かい光がふたりを包む。 「拓海くん、季節が変わっても、この店は変わらないね」 「うん。だけど、僕たちは変わりました」  友則さんがやわらかく笑って「そうだね」と答える。もうあの頃のような影はない。過去の痛みを越えたその笑顔が、胸の奥に静かに灯をともした。 「友則さんとの出会いが、僕の人生を変えたんです」 「うん……俺も、そう思う」  下町の小さな食堂で出会った恋が、こんなにも確かな形になるなんて、あの頃の僕には想像もできなかった。  重ねた手の上に、ひとひらの桜が落ちた。それを見つめながら、僕は静かに言った。 「幸せになろう、友則さん」  その瞬間、春の風がふたりの間をやさしく撫でていく。手のぬくもりだけが、確かな現実だった。  あれから季節がめぐっても、〈はなれ亭〉の暖簾は変わらず揺れている。だけど僕の中で、世界の見え方は少しずつ変わった。  ひとりで抱えていた孤独も、痛みも、誰かと分け合えばあたたかくなる。 そんな当たり前のことを、ようやく信じられるようになった。  これから先、また迷う日もあるだろう。でもその隣には、きっと彼がいる。同じ景色を見て同じ風を感じながら、僕たちは並んで生きていく。  春の匂いのするこの街で今日も、湯気の向こうに新しい日常が始まっていく。 《おわり》 作者のひとりごと(*´ω`*) 最後までお読みくださり、ありがとうございました! Pコメントも嬉しかったですよ(´▽`) 某所のコンテストに出してるこの作品、まったく人気がございませんwww まぁBLならではの心のゆらぎと申しましょうか、じれじれしたものもなくあっさり終わってしまったし、ただただエロで終わってしまったからだと思います、はい。指定された文字数が短かったのもあると言い訳をしておこう! その他に、矛盾点が多々あるのも問題かと(੭;´ ꒫`)੭ その1、大学生なのに、拓海のエロレベルがおかしい!  まずはこれに尽きると思うんです。だってね、年上相手に(友則さんが敏感体質なのもあるけれども)触っただけで「あんあん♡」言わせるのは、それなりの経験を積み重ねていなきゃできないテクニックだと思われる! 部屋にゴムだけじゃなくローションも完備してる時点で、何人連れ込んでヤっているのかと(え) そんなふうに見えない人柄が、また厄介だと思われ……モテる性格してる拓海をカレシにする時点で、友則さんの苦労が決定しているのであります(涙) その2、拓海のお母さん、息子の趣味分かりすぎてすごい!  もうさ、拓海という男は惚れっぽい&モテるのかもしれないなぁと。じゃなきゃ息子がゲイだっていうことと、男の趣味を母親が理解してるのがそもそもおかしい。普通は反対するよね(੭;´ ꒫`)੭ その3、友則さんの元恋人がゲス!  二股かけた挙句の果てに捨てておいて、結婚式の招待状を渡したり(職場の先輩という関係上、しょうがないのかもだが)写真を見せびらかしたりするとか、どんな神経をしているのか。友則さんが二股を気づけなかったくらいやり手ということは、彼女も気づいてなかったのでしょう。ある意味、拓海といい勝負だと思われる! その4、友則さん未練たらたら!  二股かけられて捨てられたというのに、元恋人との連絡手段をブロックしていないのは、どうかと思われ――だから写真なんて送り付けられるんだよな。下手したら結婚相手に二股がバレていないことをいい事に、愛人にされる可能性だってあるのにねぇ。

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