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第2話 碧人サイド・ふたりで逃げて

 気絶した陽菜を見て気が動転した。 どうしたらいいんだ? 救急車を呼ぼうか? いや駄目だ、親を呼ばれる。 警察か? 駄目だ。また親を呼ばれる。 こんな目に合わせたのは親なんだ。 居場所を教えてどうする。 ここにも探しに来るかもしれない。 まずい。どうしよう? 病院も夜だとやっていない。 とにかく、今夜はこのまま寝かせよう。 押入れから布団を出して敷いて、陽菜を寝かせた。 枕元にペットボトルの水とタオルを置いておいた。 陽菜の額に手をやるとすごく熱い。 これは結構熱があるな。 困った。どうしよう? 誰に相談すればいい? とにかく明日のバイトは無理なので、 高熱を出していることにして、 昼と夜のバイトをしばらく休ませてもらうことにした。 うちは親戚がいない。 母親は小さい時に亡くなっている。 こういう時に頼りになる大人がいないんだ。 そうだ! とりあえず高野に電話してみよう。 なんかいい方法があるかもしれない。 電話すると、すぐに出てくれた。 「藤沢、どうした?陽菜ちゃんと会えたのか?」 「うん、俺んちの物置に隠れてた。 あのさ、相談があるんだよ。絶対秘密を守れるか?」 「ああ、いいよ、約束するよ」と高野。 「陽菜は父親から暴力を受けていて、 母親もかばうどころか加担しているんだよ。 それでさっき家に入れたんだけど、 ケガをしていて気絶しちゃったんだ。 でも病院や警察に言うとさ、両親にバレて連れ戻されるだろう? そしたら今度は殺されちゃうよ。どうしたらいいと思う? 俺んちは親戚がいないんだ。 それに明日には陽菜の親が俺んちに探しに来ると思うんだよね。 だから逃げないとやばいんだよ」 「……うわ~最悪だな。どうしよう。 よし、なんとか方法を探すからさ。 ちょっと電話切って待ってて。 分かったらすぐ電話するからさ」 それで、電話を切って、とりあえず俺は水を飲みに台所に行った。 ああ、陽菜にお粥を作ったほうが良いかな? でもその前に病院に行かないといけない。 でもバレるよな。 もう本当にお手上げだった……。 そして高野から電話がかかってきた。 「あのさ、途方もないかもしれないけどさ。 相手が金持ちで優しい人なら、 きっと何とかしてくれると思うんだよ。 ほら、ゆおんさんってオメガの有名な歌手がいるだろう? あの人ってなんかミツワの当主になったって、 前にニュースでやってたんだよ。 思いきって頼ってみたらどうだろう? 多分、追い出したりはしないと思うよ。 明日の朝さ、車で迎えに行くから、 陽菜ちゃんも乗せて赤坂のミツワまで送ってやるからさ、頼んでみなよ」 「うん、そうだね、もう方法がないもんな。ありがとうね。 思い切って頼んでみるよ。助かったよ。明日何時に来るの?」 「朝7時半でもいいか?大学があるからさ」 「うん。分かった、本当にありがとうね。待ってるよ」

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