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第3話 碧人サイド・助けて
翌朝、陽菜の熱はまだ下がらなかった。
高野が迎えに来てくれて、抱いて車に乗せた。
「なんだか、かわいそうだな......」と高野。
「うん、これ見てくれよ」と陽菜の紫色に腫れ上がった手を見せた。
「へっ?これ傷害で警察に言うべきだろう?」と高野。
「うん、でも難しいかも。
もっと味方になってくれる人が出てこないと、警察にも言えないよ。
だってあの両親がしらを切ったら、証拠がないんだよ。
あの親には絶対渡せない」
「まあ、確かにそうだな。とにかく車を出すよ」
「うん、本当にありがとうね、うれしいよ」
それから朝のラッシュの中を赤坂へ向かった。
ミツワへは朝の8時頃着いた。
「ほら、着いたぞ。すげえなあ~ミツワのタワービル。
迫力が凄い。きっと助けてくれるよ」と高野。
「うん、一緒に入り口まで行ってくれる?」
入口の自動ドアは開いた。
その中へ入ると電話があって、そこへ電話するみたいだ。
「じゃあ高野、本当にありがとうね。後は俺が面倒見るよ」
「うん。分かった。じゃあ行くね」
陽菜を抱きかかえるようにして電話をした。
すると管理室にかかった。
「はい、おはようございます。どちら様でしょうか?」
「あのう、すみません。ミツワのゆおんさんに至急お会いしたいんです。
実は連れの友達の具合が悪くてケガをしているんです。
すみませんが、車いすはありませんか?」
「はい、すぐお迎えに行きます」
2、3分で男性が二人、車いすを持って来てくれた。
そして陽菜を座らせてくれたが、
陽菜は相変わらずぐったりしていた。
「どうなさったのですか?
ゆおんさんとお約束なさっているんですか?」と管理室のスタッフ。
「いえ、お会いしたことはないし、約束もしていないです。
でもこの友達を助けてほしいんです。
もう頼る人がいないんです。
会わせていただけませんか?お願いします」
俺は必死でお願いした。
「では秘書の方に連絡するので、少々お待ちください」
少し電話で秘書の人と話をしていた。
「すぐ上川秘書が参りますので、少々お待ちください」
そして秘書さんがやってきた。
「おはようございます。秘書の上川と申します。一体どうなさったのですか?」
「突然ですみません。この子は幼馴染の子なんですが、
両親から暴力を受けていて、今もひどくケガをしているようだし熱が高いんです。
でも頼る人がいなくて、病院に行けば両親に連絡されるし、
警察に行けばやっぱり両親に知られてしまいます。
今度帰ったら、きっと殺されます。これ見てください」
と陽菜の紫色に腫れ上がった手を見せた。
「まあ、どうしましょう。これは痛いですね。なんとかしますね」と秘書さん。
また誰かに電話していた。
「今、救急車が迎えに来てくれます。
一緒に乗ってください。青山の佐久間総合病院に向かいます。
着いたら、加護さんという女性の方が待っていますから、安心してください。
味方になってくれます。
それでゆおんさんは今新婚旅行に行っていて、留守なんですよ。
でも今日の午後帰ってきますから、空港に着いたらすぐ連絡してもらいます。
どうぞご安心ください」
「はい、分かりました、ありがとうございました」
そして、救急車がやってきて、陽菜をストレッチャーに乗せてくれた。
「あのう、お名前は?」と上川さん。
「俺は藤沢碧人と申します。この子は山下陽菜です」
「はい、分かりました。お伝えしておきますね」
親切な上川秘書さんにお礼を言って、
陽菜と一緒に救急車に乗った。
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