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第4話 碧人サイド・佐久間総合病院にて

 救急車は10分くらいで着いた。 到着口に紺のスーツを着た女性が待っていた。 「藤沢碧人さんですか?」 「はい、そうです。この子は山下陽菜です」 「私は加護と申します。私がお世話にしますので、どうぞご安心ください」 そして加護さんが名刺をくれた。 陽菜は救急の処置室に入った。 加護さんは用紙を持って来て、 「カルテを作るので、分かるところだけ書いてくれますか? こちらからは誰にも連絡しませんから、安心してください」 「はい、分かりました」 そして中から医師が出てきて、加護さんに何か話していた。 「藤沢さん、山下さんは全身の打撲でケガが酷いようなんですよ。 こういう暴行された場合は、証拠写真を撮っておくんですよ。 いいでしょうか?これは念のための写真なので、 どこかに出すわけではないのでご安心ください」と加護さん。 「はい、分かりました。お願いします」 そう俺は返事をしたけど……。 いつか、絶対訴えてやると固く決心していた。 こんなひどい目に合わせやがって絶対許さない!! そして陽菜はベッドで寝かされたまま、入院することになった。 病棟は精神科だった。 「え?精神科ですか?」 「はい、こういう暴行を受けた人は、 あとで強いストレスなどで長引く場合があるんです。 それにうちの立花院長が精神科の医師なので、 ちゃんと全身を診てくれますから、安心してください」と加護さん。 「あ、それと立花院長はゆおんさんの旦那様なので、二人に同時に会えますよ」 「そうなんですか。わかりました」 へえ~、ゆおんさんってお医者さんと結婚したんだ。 そういえば新婚旅行に行ってるって言ってたな。 陽菜はずっとベッドで眠っていた。 点滴をしていて、おしっこの管も入っているようだ。 これならゆっくり休めるね。 安心した。 でも入院費……どうしよう。 俺はまだあまりお金がたまってないんだよな。 病棟の人が精神科の入院の案内と、病院のパンフレットをくれた。 加護さんがやってきた。 「昨日から二人でいたんでしょう? お腹が空いたんじゃない?。 良かったらご飯に行きませんか」と加護さん。 本当にありがたかった。 「いいんですか?実は昨日から何も食べていないんです」 「うわ~、ダメダメ。 それじゃあ藤沢さんが病気になっちゃうわよ」 そして社員食堂に連れて行ってくれた。 「ここはなんでも美味しいわよ。 好きなの食べて。ご馳走するわよ」 「え?でも申し訳ないです」 「いいのよ。それと入院費だけど、 心配しなくていいわよ。 多分院長が何とかしてくれるから」 「本当ですか?甘えていいのでしょうか? 見ず知らずの人間なのに……」 ありがたすぎて涙が滲んだ。 なんと言っていいか、言葉が思い浮かばなかった。 そして、今夜は陽菜のそばで寝て良いと言ってくれた。 特別に簡易ベッドと毛布を持って来てくれるそうだ。 本当にありがたい。 あ~でも着替えやタオルが要るな。 陽菜もティッシュとか、スリッパとか、湯飲み、お箸、スプーン。 やっぱりなんか色々いるな。 一度家に帰ろうかな? 陽菜の着替えも買わないといけない。

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