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第8話 碧人君の実家

 SPに事情を話して、周囲に注意してもらえるようにお願いした。 碧人君のお宅に着くと、お父さんはもう帰宅されているようだ。 部屋の電気が付いていた。 やはり挨拶をした方が良いだろう。 「碧人君、俺からお父さんに挨拶をしようか?」 「ああ、どうしよう‥‥‥その方が良いですか? すみません。では呼んできますね」 いぶかし気にお父さんが出ていらした。 「はい、何でしょうか?どちら様ですか?」 「夜分、突然失礼します。私は立花と申します。 藤沢碧人君が、今度うちに下宿してくれるそうなので、 荷物を取りに伺ったんです。 私の研究の手伝いもしてくれるそうなので、 しばらくお願いしようと思っています」 「はあ、そうなんですか? 碧人そうなのか?」 「うん、そうだよ。こちらは立派な先生なんだよ。 下宿もさせてもらえるので助かるよ」 「そうか。じゃあ、しょうがないな。分かった。 では息子がお世話になりますが、どうぞよろしくお願いします」 車で待っている間に、碧人君は10分くらいで、 身の回りの物と勉強道具を持って車に乗せた。 そして病院にとんぼ返りした。 荷物は病室に置いてもらい、 1週間はここから大学に通ってもらおう。 風呂は病院の職員用のシャワーを使ってもらえばいいな。 その夜は自宅に帰ったら、もう21時過ぎていた。 母屋から母が顔を見せた。 「お帰り、遅かったわねえ。ご飯食べる?あるわよ」 「はい、お願いします。颯太、食べられるよね?」 「うん、お腹空いた」 二人で母屋で食事しながら、今日あったことを話した。 それで家族にも協力してもらうことになった。 「父さん。明日はミツワに行って、 山川弁護士に相談してくるから、病院はお願いしますね」 「ああ、分かった、かわいそうになあ、まだ17歳なのにねえ」 家に戻って風呂に入った。 湯船で颯太を前に抱えた。 「今日はびっくりしたよねえ~」と颯太。 「うん、明日からまた大変だね。 山川弁護士にお願いしないといけない」 「先生、よろしくお願いしますね。俺、明日大学に行くからさ」 「うんいいよ、任せて」 「でも今日は颯太を褒めたいよ」 「え、なんで?」 「だってさ、全く知らない人がだよ。 颯太なら助けてくれるって信じて来てくれたんだよ。 それってすごいことだと思わないか? 颯太は人の光になったんだよ」 「そうなのかな?よくわかんないけど......」 「颯太はね、自分で気が付いていないけど、 本当は沢山の困っている人を、助けてあげることが出来るんだよ」 「そうなの?俺自分でわかんない」 「もっと分かりやすく組織を作っていくといいんだよね。 そうすれば、今日みたいなオメガの弱い人を助けてあげられるんだよ」 「組織って?」 「最初は小さな法人にしておいて、 やがて財団にすると良いんだよね」 「それはどうすればいいの?」 「颯太がやる気になったら、あとは俺が形にするよ。 俺も医療をして一緒に助けるからさ」 「そうなんだねえ。分かった。考えておくよ」

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