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第10話 生家の執事・小林さん

  話し合いはスムーズに終った。 その後は社員食堂で小林さんや、加護さんを交えて今後を話し合った。 今日の定食を食べて、小林さんがあれ?という表情をした。 注文の中華定食は、玉子とわかめのスープ。 春巻きとシュウマイ、餃子が一個ずつの盛り合わせ。 豚肉と里いもの甘みそ炒め。野菜の即席漬け。 「なんか、すごくうまいですねえ」と、感嘆の声をあげていた。 「良かったです。実は今までは酷かったのですが、 菜の花病院の北原院長にお願いして、 菜の花フーズのエースを派遣してもらったんですよ」 「へえ~たいしたもんですねえ」と感心していた。 「ここだけじゃなくて、入院食も変えてもらったんですよ。 お陰で好評をいただいて、うちの病院の評判が良くなりましたよ」 「すごいですねえ、ぜひそのエースにお会いしたいものですね」 「まだ大学を卒業したばかりの友谷涼くんという、若い青年ですよ。 なんでも浅田工業の社長が直々、カフェにいたのをスカウトしたそうです」 「これまたすごいですよ。さすがですねえ。 社長はそのタイミングで決断できちゃうんですねえ」 と感心しきりだった。 その後は院長室に戻り、 更に今後の二人の生活について相談をした。 「こちらでは、お二人の部屋を準備しておきますね。しかしですね。 陽菜ちゃんは着の身着のままで病院に来たんですよね?」と小林さん。 「はい、そうです。そのまんまで今は病衣を着ています」と俺。 「そしたら、着替えとか肌着、日用品などの、 必要な物ってあると思うんですよ。 うちの家政婦たちにも皆で話を共有するつもりですが、 やはり由紀さんに一度病院に来てもらって、 必要なものを買いそろえた方が良いと思うんですよ。 いいでしょうか?」と小林さん。 なんてありがたいんだ。 「え、いいんですか?助かりますが......」 「もちろんですよ。うちでお預かりするんですから、 颯太様のゲストということになります。 十分なことをして差し上げたいです」と小林さん。 それで碧人君が病院に帰って来る時間に合わせて、 再度来るということで、そのまま帰られた。 俺はすごく肩の荷が下りた。 陽菜ちゃんは家に着替えを取りに行けないんだよな。 着替えがなくて困るだろう。 ここは甘えた方が良いと思った。 病室に陽菜ちゃんの様子を見に行った。 まだ点滴治療をしている。 熱はまだある。 少し診察をして処方の指示を出した。 そろそろ目を覚ましてもいい頃なんだけど、 でも碧人君がいる時がいいかな。 俺は院長室に戻り、碧人君に話す内容をプリントした。

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