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第20話 陽菜サイド・チャットの友達

 昨夜はあーちゃんがいなくて、寂しくて少し泣いてしまった。 翌朝、立花先生が様子を見に来てくれて、学校のチャットのやり方を教えてくれた。 最初の挨拶を送ったら、1分くらいですぐ返信が来た。 驚いた。みっちゃんという女の子が同級生だって。 他にも数人からチャットのメールをもらった。 皆、自己紹介と自分の仕事や、やっていることについていろいろ教えてくれた。 でも私は入院しているって言えなかった。 全く知らない人がこんなに色々話してくれるなんてね。 信じられない。 前の高校に通っている時は全くなかった。 友達もいなかったしね。 いつも家を手伝うように言われるので、遊ぶ暇がなかった。 ああ……何も思い出したくない。 あーちゃんだけが私を助けてくれる。 お陰で生き返った私。 そしてこんなに多くの人の助けを借りて、私の今がある。 昨日はあーちゃんが初めて颯太さんの生家に行ったんだって。 凄いお屋敷だよって言ってた。 ふ~ん、私は見たことがないもんね。 素敵な個室まであるらしい。 食事もおいしいなんて凄すぎる。 そんな生活ってあるんだ。 まだ実感が湧かない。 今だってゆっくりと時間が流れている。 勉強……どうしよう? どこからやっていいのか分からない。 元々学校にはあまり行けなかったから、全然分からない。 どうしよう? あーちゃんも忙しいしね。 聞くのも悪いしなあ。 そうだ、チャットで聞いてみよう。 “普通の高校にあまり通えなくて、 勉強が分からないんだけど、どうしたらいいかな?” そしたらすぐにみっちゃんから返事が来た! “みんな同じだよ。でも大丈夫。通えるクラスがあって、みんなばらばらだけど、本人に合わせて教えてくれるから心配ないよ。はやくクラスにおいでよ。一緒に勉強しようよ” そんなうれしい返事が来た。 いつでも行って良いクラスがあるんだって。 へえ~そうなんだ。 それなら行きたいな。 一人で画面に向かって勉強するって辛いもんね。 皆のチャットを眺めながら、今やっている勉強について見ていた。 そのうちに夕方になって、あーちゃんが病室にやってきた。 すごく心配していた。 でも意外と私は元気。 「大丈夫だったの?」とあーちゃんが驚いていた。 メモに、“院長先生がチャットを教えてくれて、それで仲間とやり取りをしていた” そう書いたら、あーちゃんが「すごいねえ!」だって。 すごく喜んでくれた。 「早く治って皆がいるクラスに通いたいよ」と言ったら、 また目を丸くして喜んでいた。 「随分元気になったねえ」ってさ。 えへへへ。

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