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第35話 颯太の初めてのレッスン
今日は木曜日。
颯太が初めて、アニメプラスでボーカルとダンスのレッスンをした。
俺もミーハーだから、広報スタッフと一緒に見学することにした。
ミツワは土日が休みだが、
広報がシフト休みを取って、土曜日に付き添うとのこと。
こちらも至れり尽くせりの待遇だ。
やはり颯太はミツワの当主だから、それでもいいのか?
ところで広報があれだけ密着してアニメプラスやホールを見学したが、
どうも行き詰っているらしい。
とりあえずHPを見ながら、アニメプラスの歴史を時系列に書き出した。
今までどういうことがされてきたのか?
それにかかる費用。
それを皆で検討して分析するのだそうだ。
こうなると研究論文が出来そうだ。
ミツワのスタッフも皆エリートだから、負けじ魂が凄い。
もう転んでもただでは起きない根性だ。
偉いし、すごいよ。
でも、アニメプラスと同じことは到底できないと、みんな分かっているようだ。
とりあえず、どういう風にアニメプラスが進化していったのかを知ることは、
今後ミツワの広報のやり方にかかってくるとのこと。
それはそうだろう。
実績もないのに50億以上の投資は、ミツワだって誰も認めないし出さない。
しかし、俺は楽しみだ。どういう結果を出すのかな。
きっとあっと驚くアイデアを出して、へえ~と皆を言わせると思う。
ところで、アニメプラスは颯太専用に、
ボーカルとダンスのパーソナルトレーナーを用意してくれた。
この力の入れようね。(笑)
どんだけすごいMVができるのか? これまた楽しみだ。
例によって、田代君はじっと録画している。
颯太が最初と最後ではどう変わるのか? を記録するそうだ。
それは俺も見たい。本当に研究熱心だよ。
それにしても颯太は、昔ダンスを激しくやっていたにも関わらず、
随分身体が固くなっているようだ。
柔軟体操でヒーヒー言っていた。
俺はお腹で笑っていた。
まあ、身体が固いのは俺も一緒なんだけどさ。
やはり俺が颯太を過保護にしたのかな?
でも時々体調を壊すから、まだ油断はできない。
ボーカルの方は軽く進んでいたが、ダンスの方は時間がかかりそうだ。
終わって颯太が、ふうふう言いながらそばに来た。
「ああ~もう身体が固くて死にそうだよ」
汗を拭き拭き、腰を曲げて弱音を吐いていた。
これだと夜はダメだな。残念。
「あとでお風呂に入って、マッサージしてあげるよ」
うん? しまった!
つい甘いことを言ってしまい、唇を噛んだ。
横にいた田代君と山下さんがニヤニヤしていた。
ああ……俺としたことが聞かれてしまった。
恥ずかしいなあ......。
*
そして今、湯船の中。
颯太は俺に抱えられて目をつぶっている。
さっきは身体中をさすってやった。
次は揉んでやろうと思ったら、
「痛い!もっとそっとやってぇ~」
またそっとさすってやった。
「そろそろいい?」
「ダメぇ~、ベッドの中でもさすって~」
結局、ベッドに抱いて運んでやった。
また少しずつ、撫でるようにさすった。
颯太は3分で眠ってしまったが、
俺は腕が疲れてしまった……。
誰かにさすってほしいけど__
もう眠ろう……。
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