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第64話 隣家の土地
翌日、なんと本家の玄関横の道向かいのお宅から電話が来た。
なんと家を譲って下さるのだそうだ。
息子さん達に確かめたところ、住む気がないとの事。
それで立花家とも長年のお付き合いだから、
これをご縁にお譲りしますとのことだった。
なんだか、昨日の疲れが少しは取れた気がした。
「小林さん、あのおうちはどれくらいの広さなんですか?」
「待ってください。今、町内の台帳を確認しますね……えーっと、約120坪ですね」
「へえ~すごいじゃないですか。何が建つかなあ?」
「そうですね、まあ、もうちょっと待ちましょうよ。増えるかもしれませんからね」
そう言ってるそばから、今度は敷地の下の方の道向かいのお宅から連絡があった。
「車に乗れなくなったから不便でしょうがない。
それで駅に近いタワマンに引っ越したいから、そろそろ売ろうかと思っていた。
どうせなら立花家にお譲りした方が安心できるのでお願いします」とのことだ。
恐るべし、立花家。
「小林さん。そのお宅の広さはどれくらいなんですか?」
また台帳を見ていた。
「ええと、200坪はありますね」と小林さん。
「すごいじゃないですか!」と俺。
「いや~、本当にそうですよ。これは前会長のお陰かもしれませんねえ」
そして午後になってまた1件連絡が来た。
「どうしましょうか?道向かいの家じゃなくて裏の家だそうです」
「うん?ということは、伺った家の裏ですか?」
「そうなんですよ。もう一本の裏の道沿いの家なんです。
なんか伺った家の方から話を聞いたとおっしゃってました。
うちではどうでしょうか?と聞かれたので、喜んでと返事をしておいたんですけどねえ」
「それで、そのお宅はどれくらいの広さなんですか?」
「ええっとねえ、あそこは110坪ですね」
「はあ、それでも凄いじゃないですか」
「ただね、裏の道はちょっと狭いんですよね。
だから、こっち側の家が空かないと難しいです。
二つがつながれば大きく建てられますけどねえ……」
その日はそれで終わった。
でも3件も手に入ったんだから、すごいことだよね。
ああ~立花家!というとこだね。
もう実家に帰りたい。
俺もゆっくりしたい。
颯太と昼寝でもしよう。
「じゃあ、小林さん、俺はちょっと実家に帰りますね。
颯太、帰ろう。皆さんお疲れさまでした」
「うん、行く!またね~バイバイ」と颯太。
SPの車に乗ると本当にほっとした。
もう今は何も考えたくない。
そのまま揺られて眠ってしまった。
実家に着くと、真っ先に2階のベッドへ行き、バタンと寝転んだ。
颯太がじっと俺を見ていたようだが、もう知らない。
とにかくぐっすりと眠った。
目が覚めるとなんと夕方になっていた。
え、颯太はどこだ?
下に降りると、今度は颯太がソファで眠っていた。
かわいそうに、一人で眠っていたのか。
抱いて上のベッドに運んだ。
そしてベッドにそっと下ろすと、颯太が俺の手を離さなかった。
「起きていたのか?ごめんね。いっぱい寝ちゃって」
「ううん、いいの。だってみんなで蔵の食器を運んだんでしょう?
ごめんね。俺だけ寝ちゃって」
「いいよ。颯太が元気ならそれでいいよ」
颯太がそっと俺の胸に顔をうずめた。
かわいい颯太……抱きしめた。
「先生、お風呂に入りたい」
「うん、一緒に入ろう」
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